「泣きたくなるような美しい夜景の下で」ドライヴ グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)
泣きたくなるような美しい夜景の下で
筆記体の題字の印象通り、とても私的な感じの作品だと思いました。
一人で観るのがしっくりくる気がしましたが、誰かと語りたくもなりました。男の事、男が愛した女の事。
この男、どこからきたものか。研ぎ澄まされた冷酷と少年のような素朴さ。世慣れたようで、自分の気持ちに戸惑い後手にまわっていくようにもみえます。
そして若い人妻の儚げな美しさ。瑞々しい演技の中にドキッとするような老成した表情をみせるキャリー・マリガンはぴったりでした。
不思議なことに、空からの美しい夜景が一番心に残っています。緊張感がふと緩むからか、切ない孤独感がつのるからか、泣きたくなる美しさでした。劇場に足を運んだご褒美なら、甲斐があったというものです。
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