「ありふれたLAの風景が全く違って見える」ドライヴ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
ありふれたLAの風景が全く違って見える
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スタントマンと自動車修理業の傍ら強盗の逃がし屋も請負う寡黙な男"ドライバー"と刑務所にいる夫を息子と待つウェイトレスのアイリーン。二人はふとしたきっかけから言葉を交わすようになりやがて心を通わせるようになるが、出所してきた夫スタンダードが抱えてきた厄介事が静かな生活に少しずつ不協和音を響かせ始める。
先日再鑑賞したばかりの『ブルーサンダー』と同じくLAが舞台で、映り込む景色もかなりカブっているのに全然違った質感。スローモーションを効果的に使った緩急変幻自在の映像が裏稼業で静かに生きる人間の粗野な純情を鮮血で彩る。何もかもが血塗れに染まっていく世界でアイリーンはあくまで可憐で哀しげで途方も無く美しい。
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