「一番の見どころはエンドロール」時をかける少女(1983) 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
一番の見どころはエンドロール
1983年の公開作品
小学生の頃に一度観た記憶がある
その後いろいろな形で映像化されたしその度にもう一度観返そうとしたがその時はいつも地元のTSUTAYAはこの作品が貸し出し中だった
なんやかんやで二度目の鑑賞を忘れていた
原作は『ジャズ大名』『日本以外全部沈没』『パプリカ』『七瀬ふたたび』『敵』の筒井康隆
監督と脚本は『天国にいちばん近い島』『さびしんぼう』『はるか、ノスタルジィ』『理由』『海辺の映画館 キネマの玉手箱』の大林宣彦
脚本は他に『転校生』『愛情物語(1984)』『天国にいちばん近い島』『さびしんぼう』『潮騒(1985)』の剣持亘
原田知世のデビュー作
初々しい
声が違う
今と違って演技力が酷い
それはご愛嬌
彼女もはじめからうまいわけではなかったのだ
併映
薬師丸ひろ子と松田優作が共演した『探偵物語』
尾道三部作の一つ
『異人たちとの夏』という例外はあるが僕は基本的に大林宣彦監督作品が当時からあまり好きじゃない
彼の作品は高く評価される面があるのは確かにそうだが全体的に演出も脚本もしょぼい
『ハウス』なんてかなり酷かった
晩年もそのしょぼさは不変なのは驚いたものだ
日本映画暗黒時代を代表する映画監督といえる
80年代は圧倒的に海外映画の方が面白かった
大林宣彦監督は過大評価されている
この作品よりアニメの方を先に見るとがっかりするかもしれない
タイムリープものを期待すると肩透かしに合う
冒頭モノクロ
帰りの列車では一部カラー
のちにカラー
グレーの学ランとブレザー
白いブルマにドキッとした
漢文の返し点とか今思えば筆記体以上に無駄な教育だったな
昔はプールの消毒槽とか蟯虫検査とか必要だったかもしれないが座高とか当時から疑問に思っていたよ
同じシーンには登場しないが入江親子が共演
若い人は全くピンとこないかもしれない
それどころか俺と同世代でさえ大体の人はピンとこないかもしれないが
未来人は関わる現代人の記憶を改竄できる都合が良い超能力がある
初めての出会いはスキー場で
この作品はタイムスリップそのものを楽しむものではない
新人原田知世の清純さと会話劇を楽しむ作品である
エンディングテーマは名曲『時をかける少女』
ユーミン作詞作曲
劇中の場面場面で口パクで歌う原田知世
ミュージカル風
一番の見どころはエンドロールかもしれない
本編はエンドロールの前振りと言っても良いくらい
しかしテレビ放送ではカットされる
大林宣彦監督の拘りである
でも配信では鑑賞できる
エンドロールのラストの原田知世は特にカワイイ
配役
弓道部に所属する高2で実験室にてラベンダーのような香りがする薬品を嗅いだことがきっかけで「タイムリープ」の能力を手に入れる芳山和子に原田知世
3歳の和子に新井雅
5歳の和子に新井瑞
和子のクラスメイトで物静かで落ち着いた性格だが実は西暦2660年からやって来た未来人で薬物学者の深町一夫に高柳良一
5歳の一夫に平野仙丈
和子のクラスメイトかつ幼馴染でロマンチストな和子に対して現実的な堀川吾朗に尾美としのり
5歳の吾朗に加藤岳史
和子のクラスメイト学級委員の神谷真理子に津田ゆかり
和子が通う高校の国語教師の福島利男に岸部一徳
和子のクラスの担任教師の立花尚子に根岸季衣
和子の父の芳山哲夫に内藤誠
和子友恵良子の母の芳山紀子に入江若葉
和子の妹で7歳の芳山良子に山下陽子
18歳に成長した芳山良子に岡寛恵
吾郎の母で醤油屋を営む堀川貞子にきたむらあきこ
一夫の祖父の深町正治に上原謙
一夫の祖母の深町たつに入江たか子
交通事故で亡くなった一夫の父親(写真)に松任谷正隆
交通事故で亡くなった一夫の母親(写真)に山口保代
時計屋の男に高林陽一
11年後大学に残り薬学を研究している和子を指導する大学の女性研究員に黒岩美穂子
喪服の女に明日香いづみ
生徒に小河麻衣子
生徒に石井きよみ
生徒に内藤研
自転車の少年に本岡隆
路地の老婆に高橋ます乃
弓道の先生に山崎澄男
野次馬に堀川寅夫
僧侶に高橋康照