「華麗なる虚栄」華麗なるギャツビー りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
華麗なる虚栄
1974年のロバート・レッドフォード版は見ていないので、ストーリーも、こんな内容だとは知らなかった。
第一次世界大戦後の1920年代。
アメリカ東部の上流階級社会。
豪壮な大邸宅で、毎日のように盛大で派手なパーティを開く謎の男、ジェイ・ギャツビー。
彼が何者なのか、誰も知らないが、 上流社会の人々が勝手に集まる。
そんな彼の隣の元管理人の家に住むニック。
そんなニックに、ギャツビーからパーティへの招待状が届く。
実は、貧しい育ちのギャツビー。
挫折をバネにして、貧しさから這い上がり、お金で物を言わせられるまでになる。
そんな彼の純粋な愛。
過去に執着して、夢を追う男ギャツビー。
宝石と絹で着飾った美しい女デイジー。
浮気な夫に悩むが、安定した生活は、なにがあっても手離せない。
物は充分にあれども、心は飢えている。
富豪の家に生まれ、遊び三昧の生活のデイジーの夫。
女グセの悪さが、とんでもない悲劇を生みだしても、悪びれることもない。
対岸のデイジー家の緑の光は、ギャツビーにとって何としても手に入れたいデイジーそのものだった。
ニックは、そんな彼らを憐れんでいたのだろうか。
煌びやかで、豪勢で、贅を尽くしたようなドレスに宝石、そんなパーティは、人々の空疎な心の裏返しか。
やがて来る世界恐慌をも予感させる、空虚さ・もの哀しさ。
バブルから経済危機を迎え、なお不安定な現在の日本。
似ているのが、また悲しい。
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