「愛に生きた男の栄華と退廃を描く」華麗なるギャツビー といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
愛に生きた男の栄華と退廃を描く
名前だけ知っている程度の事前知識。内容については全く知りません。アマゾンプライムで鑑賞しました。
アマプラのサムネイルだけ見ると1980年代くらいのちょっと古そうな雰囲気を感じたんですが、2013年公開の映画なのでそこまで古くは無いですね。舞台が1920年代だったり昔ながらの撮影手法が取られている箇所が見受けられたりして、多分この古そうな雰囲気も映画の演出なのかなと感じました。
結論ですが、めちゃくちゃ楽しめました。今年始まったばかりですが、おそらく今年観る映画の中でも五本指に入ると確信するくらい面白かったです。謎めいた大富豪ギャツビーと、ギャツビー邸の隣に住んで彼と知り合ったニック。そして彼らを取り巻く富豪たち。全体的に豪奢で物に溢れた雰囲気がある作品ながら、描かれているのは金では埋められない人の心の空白と闇。本当に素晴らしかった。ストーリーも脚本も構成も役者も演出も、間違いなく最高峰の映画です。
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1920年代のアメリカ・ニューヨーク。小説家を目指していたが芽が出ずに、好景気の波に乗って栄えていた証券会社で働き始めたニック・キャラウェイ(トビー・マグワイア)。ニックは新興の富豪たちが屋敷を構えるウェストエッグで、ある小さな家を借りて住み始める。隣に住んでいるのは素性も仕事も謎に包まれた男、ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)。毎夜のように豪華絢爛なパーティーを開催している有名人の彼の噂をあちこちで耳にしたニックは顔も知らない隣人に思いを馳せるのだが、そんなある日、ニックのもとにギャツビーからパーティーの招待状が届くのだった。
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本作は1925年に発表された、フィッツジェラルド著の『グレート・ギャツビー』が原作になっています。アメリカ文学を代表する作品であり、モダン・ライブラリーの発表した「20世紀に描かれた最高の小説」では2位にランクインしています。日本でも数多くの翻訳本が出版されており、あの村上春樹さんの翻訳したバージョンも発売されています。誰の翻訳かによって作品の持つ繊細な描写の雰囲気が違っているらしいです。
過去にも何度も映画化されていますが、これまでの映画化は正直あまり評価は良くなかったそうです。本作が、『グレート・ギャツビー』の映画化作品の中では一番評価が高い…のかな?正直本作も映画評論家からの評価はあんまり高くないらしいんですけど、私はめちゃくちゃ感動しました。
本作のファンを公言している著名人として、オリエンタルラジオの中田敦彦さんがいらっしゃいます。彼のYouTubeチャンネルでは本作『華麗なるギャツビー』を紹介する動画があったり、一世を風靡した『パーフェクトヒューマン』のMVは本作『華麗なるギャツビー』のパーティーシーンを再現したと公言しています。ただ、彼のYouTubeの本作の紹介動画はラストのオチまでバッチリ喋ってしまってるので、ネタバレ無しで鑑賞したい方の視聴はオススメしません。本作を鑑賞後にご覧になってください。当時の時代背景や中田さんなりの考察など、見応えのある動画です。
愛のために、必死に今の地位まで上り詰めたギャツビーでしたが、最後には愛を失い、名誉を失い、そして命までも失いました。そんな彼のもとに唯一残ったのは、ニックと言うかけがえのない親友です。自分のために涙を流し、深く落ち込んでくれる友人です。そしてこの物語は、ニックから亡き親友への捧げものです。社会的には悪とされてしまったギャツビーの人生を執筆した後、タイトルに「great」と付け加える演出は溜息が零れます。素晴らしかった。
本当に良い映画でした。たくさんの人に観てもらって、感想を聞いてみたいです。
オススメです!!