コンテイジョンのレビュー・感想・評価
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考証の確かさが生んだ予言的作品
新型コロナが席巻する前に観賞していたら、地味目のディザスター映画以上の感想は出てこなかったかもしれない。映画の感想というものは本当に主観的で、流動的だ。
現実の感染拡大を目撃した今見るからこそ、この映画の物語展開が考証され尽くしたものであることを肌で感じることが出来る。
不特定多数が触るドアノブやカジノのチップの不気味さ、無防備な若者の(感染予防的な意味での)危うさ、非医学的な治療法を喧伝するインフルエンサーの厄介さや大衆パニックの怖さ、そして疫病との闘いには一発逆転のドラマチックな展開も傑出したヒーローもおらず、勧善懲悪もないこと。
非現実的な煽りをしなくても、これらを正確に描くことが十分作品の迫力になる。
ちなみにYouTubeのギャガ公式チャンネルに、マット・デイモンとケイト・ウィンスレットの感染予防啓発動画が公開されている。
映画のラストとこの動画を見て、手洗いの励行と顔を触らないようにすることを改めて固く心に誓った。
他者と関わらずして、感染は絶ちきれない
突如謎のウィルスが蔓延し、日常生活はもろく崩れ去る。買い占め、車の長い列、情報の錯綜…は、3月の震災を思い出さずにはいられなかった。時期が時期なら、公開も危ぶまれたかもしれない。ある程度冷静に観ることが可能な時期に出会えて幸運だった。
安直ながら、やっぱり比べたくなってしまうのは「感染列島」。また、他のディザスタームービーと比較しても、家族愛や恋愛讃歌に逃げず、冷静に事態を追う視点を貫いている点は出色と感じた。
様々な立ち位置のキャラクターが登場する中、市民代表マット・デイモンが抱える矛盾は特に忘れ難い。彼は、物語を突き動かすことなく、否応なしに感染の渦に巻き込まれ、ただただ逃げ惑う。そんな「その他大勢」の生々しいドラマが、さりげなく随所に盛り込まれている。感染を恐れる彼は、娘の交際相手へ過剰な危機感をむき出しにし、指一本触れさせまいとする。その一方で、食糧の奪われた見ず知らずの女性には、救いの手をさしのべる。それには、ワクチン開発に力を持つ研究所長(ローレンス・フィッシュバーン)の「個人的な」行動以上に、はっとさせられた。危機的状況では、何が善で何が悪かなど容易に判断を下せないし、ゆらがぬ信念なども存在しない。むしろ、一瞬のひらめきや直感が、大きく物事を動かすのではないだろうか。
そして、感染そのものにも、矛盾があることを映画は指摘する。感染を絶つには、感染経路となる他者との関わりを微細に至るまで絶ち切らねばならない。一方で、感染から逃れ、ウィルスを克服するには、他者への多様な関心、たくさんの人の膨大な労力と苦悩が不可欠なのだ。感染経路の調査、治療、ワクチンの開発、市民生活の維持…。どれも独力ではなし得ない。そんな中、野心家のフリーライター(ジュード・ロウ)がブログで独自に情報を発信し、事態が急速に混乱していくさまは空恐ろしい。そして、孤高を気取る彼もまた、大衆にすり寄り、情報を操ることで、結局は「事態に踊らされている」一人である、という無自覚な矛盾をはらんでいる。
映画中の出来事は、日常から決して遠いものではない。私たちは日々自分の顔に触れ、様々なドアノブに触り、たくさんの他者とすれ違う。観終えてから時間が経つほどに、じわじわと効いてくる作品だ。
ウイルスより怖い“恐怖の感染”を予見した慧眼
2011年の「コンテイジョン」と95年の「アウトブレイク」を改めて鑑賞し、後者の着想となった94年のノンフィクション本「ホット・ゾーン」(80年代に起きた米国本土初のエボラウイルス感染とその制圧作戦に迫る)も読んだ。2002年のSARS流行を考え合わせると、感染スリラーの秀作2本はいずれも実際のパンデミックを踏まえて虚構の中のリアルさを高め、ウイルスが蔓延する世界における人間の行動と心理をシミュレートすることに成功したと言えよう。
本作の妙味は、偽情報で読者のパニックを煽り名を上げ儲けようと企むブロガーの存在だろう。未知のウイルスを前に専門家の間でも意見が分かれ、著名人や識者が勝手なことを言い、国民どころか為政者まで右往左往しているのが今の世界の現実だ。インフルより致死率の低いコロナへの恐怖で経済が失速し、感染による死者を上回る自殺者を出すなら、真に怖いのは恐怖の蔓延ということになる。
映画と現実が、いま取っ組み合いをしてるんだと思う。
新型コロナでにわかに再注目を浴びることになった本作。ソダーバーグが評価されることはもちろんだが、ソダバと一緒にいくつもの実話にひねったアングルでアレンジしてきた脚本のスコット・Z・バーンズの功績も大きいんじゃないか。とにもかくにも、豪華オールスターキャストがウイルスの蔓延のせいでいとも簡単に死んでいく。そのウイルスの無差別攻撃の凄みが、いま世界中が身にしみて感じられるようになったし、映画のクオリティは変わらないのに、作品の異様な迫力も2倍3倍に感じられるようにもなった。現実世界ではこの危機に瀕して日本政府は『シン・ゴジラ』みたいな対応はできなかった。果たして『コンテイジョン』に追いつけるか、追い越せるか、それとも足元にも及ばないのか。映画の現実とのレースが現在進行中という、不謹慎だが得難い機会を目にすることになるのだなあ。
Near Sci-Fi Blockbuster that Has Become Real too Soon
A decade ahead of its time, Contagion hits all the notes of the breakdown of an epidemic to complete relevance. While the disease in the film is a deadlier version of what we got with COVID-19, it's missing the high stakes of a Donald Trump leader of the free world, exhuming the feeling of a real-life dystopian nightmare. Conclusively it is more of a cautionary tale than probably intended.
せめてマスクしてくれ
劇中で起こっていることより実際19年から世界で起きたパンデミックコロナの方がより恐ろしく感じてしまった。その為か一興一投足リアルな演出とは思えず台詞も行動も違和感が拭えず、特に根本的なメインキャストがずっとマスクせず話が進むことに萎えてしまった。
SFとしての優秀さ
コロナ前に作成された作品。
パンデミックをシミュレーションしている。
これは映画という側面を持ったシミュレーションなのかもしれない。
起こりうることを多角的に捉え、想定することが役割のような気がする。
描き方はニューマンドラマだ。
政府などの思惑は、登場した記者の中だけにとどまり、背景を塗りつぶしている。
人類救済が第一の目的ならば、ワクチンにお金は取らないはず。
この事実だけで陰謀論となるのは至極当然だろう。
トマトメーター80%超えだけのことはある
ディモン選手主演かと思いきや、アメリカ各地や香港など世界各地で研究者、一般市民、記者など様々な人のドラマが同時進行で交錯する一種の群像劇の趣ですが、よく整理された脚本をソダーバーグ選手が手際よく処理しているので各人各所のエピソードがキチンと区分されている印象です。
コロナ禍後に見ると更に面白い
最初に見たのはコロナ禍前。2011年公開だから10年くらい前に見たのかな。
コロナ禍後、久しぶりに見てみた。
今回の方が楽しめた。
SFでもディザスター映画でもなく一つ一つの出来事が「こんなコトあったね」と思える。
映画が現実に…
コロナ禍を経験した我々は、ドキュメンタリー映画とも思えてしまう。まさに、予言映画だろう。
ワウチン開発の裏側も、リアル。
世界の混乱もリアル。
ジャーナリストの間違った混乱でさえもリアル。
今思うと、家に篭った日々。
何もかもが、変わり青春も無くなった若者たち。
辛かったよね。
コロナ禍前にも観た映画だが、全く内容忘れていた。
今だからこそ、考えるところがある。
しかし、いいパパだなぁとラストシーンは感動した。
WOWOWが、今放送した意図は
WOWOWが今、放送した意図は
やはりコロナの影響だろうか
てか、コロナ蔓延の本当の原因は
もはや色んな意見、憶測が溢れているが
この映画を見て
「やっぱ、中国か‥‥‥‥‥」というのが
最大の印象(+_+)
今の世界の状況を予見したような内容に
ノストラダムスかよ 的な驚きがあった
過去鑑賞
これもレビューしてなかったですね。
コロナが発生して半年くらいに経った頃に観たので、多分2年半くらい前でしょうか?
どれだけレビューをサボっているんだって感じですね(笑)
確かにこれは新型コロナウィルスが発生し、コロナ禍に巻き込まれていく過程に酷似していますね。
致死率こそここまで高くありませんが、未来を予見したかのような内容に、かなり驚かされました。
そういった点としてはかなり優れた出来の作品でしたし、内容としても興味深く、出演されている俳優陣も豪華なので、飽きずに鑑賞出来ましたが、今回の新型コロナウィルスの発生が無ければ興味を引かれる内容ではなかったような気がしますし、ドキュメンタリー調なので映画として面白いかと問われると何とも言えないところですね。
ただ、今このような状況に置かれている事は事実ですので、一度観ておくと良いかもしれないです。
生々しい。
2011年の作品。コロナ騒動を経験した現在に観るととてもリアルで生々しい。人々の戸惑いぶりもリアルだし、政府やCDCの様子もきっとあんな感じなのかな?
この映画では感染源がはっきりしないまま、ワクチンが開発されたようだが、最後で明かされた1日目を観ると、コウモリと豚が原因のよう。
なんかまるで10年後のコロナ感染を予想したかのような映画でした。マリオン・コティヤールがやはり綺麗
パンデミックものだいすきー!と何の躊躇いもなく言えてた時代が懐かしい。
CDCが出てくるとテンション上がる性癖である。WHOには反応しない。何でだ。
劇場で見逃して数年後に観て、よくできてるとは思ったが、まさかまさかの事態で再評価されるとは。はからずもどれだけきちんと製作されていたかを証明することになってしまったが、デマが恐怖と不安を撒き散らすことが最大のポイントだったと思う。
ものすごいキャスティングの群像劇だけど、さまざまな立場でそれぞれ印象的な役どころで見せ場もあるのに、わずか106分とはすごい。
マット・デイモンの娘役の子がiPhone の文字入力がやたら早くて、「若者はあんなに早く入力できるんだー」と感心してた。
2022 88本目
当日この映画を観たとき、いつかはこういうことが現実に起きるのかなと思って観てました。実際、今コロナになりこの映画の通りになってると、色々考えさせられます。また何年後かに観たときにコロナが終息していればいいなぁ
まさしく今の現状…を予測
コロナが出始めたころを思い出した
感染していく様子が現実いまの様
パニックで暴動が起きたり
怖い人間模様もリアルに描かれている
病原体の発症源なども特定して
コウモリの体内に潜んでいるのか
自然界のものなのか
それとも造られたもの?
その辺が……。
わからない
製薬会社はバナナに何か…
コロナの場合も究明されていない
非日常の中の日常
フィクションでありながら、とてつもなくリアルに演出された作品。
ドキュメント風の音楽も、その一貫か。
エモーショナルな演出を抑えて、大量感染の様を淡々と追いかけていく。
そこには、奇跡も、偶然も起きない。
映画としては、ちょっと物足りないと思いました。
2015.4.17
コロナ禍の今見ると中々真実味が
ソダーバーグの感染パニック、流石に揃うキャストも豪華です。
コロナ禍の今見ると中々真実味があります。
細かく章を区切るかの様な構成は、中々の緊張感がありました。
また、メインキャストにキャリアを作るのはうまいですね。
文化の違いなので一概には言えないのですが、ここに至っても火葬しないのは如何な物かとは思いました。
ラストにわかる全ての1日目がすごい。
やはり何だかんだとうまく作っている作品でした。
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