ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのレビュー・感想・評価
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良かっただけに残念
911で父親を亡くした少年が、そのままにしてあった父親の部屋に
1年ぶりに入って、青い花瓶に袋に入った鍵を見つけ、袋に記載された
「Black」の記載に、町中の「Blackさん」を一人で探し続ける。
涙腺の危機を準備しつつ、感動のラスト。
ウルウルきつつも、やや物足りなさを感じました。
鍵の持ち主は誰だったか?
なぜ父が持っていたのか?
母親との関係は?
間借り人が登場する意味は?
ラストに明らかになっていくが、
間延びした感じがしたのは私だけでしょうか???
少年が父親を失った喪失感をどうやって埋めてったかに
集約してほしかったように思いました。
母親の行動、言動にも疑問が残りました。
親としてわからないではないですが、
自分で人と関わること覚えさせようとする
父親の意思に反する行動だし、行動したことを
観客に伝えても、子供に話すべきではないと思いました。
私がオスカーならば、自分で調べて人と積極的に関わったと
思っていたのに、すべて母親の根回しの結果だったと
知らされたらガッカリすると思います。
ラストまでは、良かっただけに残念でした。
次はもっと泣いてしまいそう
9.11の悲劇は深い悲しみと共に社会的な衝撃と動揺があまりにも大きく、内容によってはまだ受けとめられないかもと躊躇していました。
あまり社会に開かれていない繊細な少年を中心に据え、その深い悲しみの心に焦点を絞った見事な物語でした。
最愛の父を失ったオスカーの、誰とも分かち合えない苦しみ、手を伸ばしても空を切る焦燥感が胸に痛かった。彼を取り巻く大人達との距離の描き方が良かったです。
もう一度じっくり観たら違った感動があるのでは、でも今回以上に泣いてしまうと思います。
「ものすごいうるさくて、ありえないほど近いものとは」
さて、この映画、まずポスターで損してますね。
いくらでも感動的な場面を切り取れたのだろうに
何故にホラーチックなイラストを採用したのか真意が分かりません。
そして、それと同様に映画を観るまではタイトルも雑な気がしてました。
長ったらしいじゃないですか!
でも観終わって
このタイトルの方はこれでいいのかな。。って思えました。
今思い切って「鍵穴の向こうに」とかの邦題でも良い気がしますが。
で、作品の感想はと言われれば。。
全編を通して、泣きっぱなしでした。
こだわりの強い9歳の少年が
8歳の自分の娘とダブったこともありますが。
主人公である少年オスカーは「9.11」の事件で
最愛であり尊敬してやまない父を唐突に失います。
もともと
診断に至らない?までも
アスペルガー症候群的な挙動を見せていた少年は
音に敏感で、
人一倍繊細で、
人と話すことが苦手で、
心が弱い分攻撃的で、それでいて臆病。
そんな息子を心配して父は常に優しく、
そして深い熟慮を持って息子の成長を促していきました。
父が息子のために作るリアルなRPG「調査探検ゲーム」は
【個】にこもりがちな我が子の視野を外界に向けるために
ニューヨークを盤面に緻密に練り上げられ
その謎解きも佳境を迎えていきます。
父の作った「課題」を、人と接することで徐々に解き明かしていくオスカー。
しかし、そんな最中にあって、
人生の大切な案内役を突如として、不条理に失うことで
彼の精神が次第に壊れていくのです。
父が遺した「課題」の「答え」が分からない。
それ以上に遺体すら発見されず「父の死」をどう受け止めて良いか分からない。
けれど、ある時、彼は父が生前手元に温めていた
「nonstop looking(探すことをやめない)」という
新聞記事の切れ端とともに、ある「鍵」を見つけます。
そして少年は考えるのです。
この鍵に次の「答え」を解く手がかりがあるかもしれない。
探すことをやめない限り、父とつながっていられるかもしれない。
彼はこう言います。
例え太陽が今この瞬間、爆発しても
僕たちは8秒間、「失ったこと」に気付かない。
それは父を失った今の自分に似ている。
そして今、自分はまさしく8秒後を迎えている。
でも、この鍵の「鍵穴」を探しているうちは
8秒と言う時間は、もっと延ばせるかもしれない。。と。
なんとも健気な考えで泣きました。
異常なほど内向的なオスカーが
母の責め口調、マンション警備員の尋問、街の雑踏etc
色々な外的干渉 = LOUD を乗り越え
鍵に会う「鍵穴」を探す冒険を始めます。
父からの…最愛にして最大の「煩わしさ」でもあった
「怖さを乗り越えて進め」というメッセージを胸に抱いて。。
この映画「ものすごくうるさいもの」に関して
何を象徴しているのか…がこの映画の見方における最大の焦点だと思います。
それは電話の呼び鈴の音か
「ブランコ」に乗れと誘う父の言葉か、
うんざりするほど自分を案じる母の存在か、
周囲の干渉や同情の言葉か、
はたまた街の雑踏、電車の音、車のクラクションか
私は最後の冒険記のタイトルに付けた事もあって
「ものすごくうるさいもの」は
亡き父の「息子への言葉」ではなかったかと思います。
この映画を見ていたら、
娘に自己と向き合わせるような壮大な謎解きゲームを作りたくなりました。
親の知性と愛情が問われるような、
子供の成長、そして自立を促す長編RPGを。
泣いて頭がいたくなるほどでした
私は家族をなくした経験もないので、そういう意味での感情移入というのはあまりなかったのですが、パニック障害があるのでそういう観点で
この男の子にとって鍵の場所を探すということがどれほどの恐怖と困難を伴うものだったか?分かる気がしてすごく応援しながら見たのでした。
映画という性質上それぞれのキャラクターの奥深くまでは描けないにせよ、トムハンクス演じるお父さんは本当に愛すべき男性だということが伝わってきてよかったです。こういう役をいやみなくやっちゃうところがすごい俳優さんですね!
家族を亡くすということきっと一生かかっても受け入れるのが難しいこと。ただその人がいないという事実に慣れていくだけのことだと思います。
これからどういう生き方をするにせよ、少年にとってこの鍵の場所を探すというのは前に進むために必要な過程だったと思います。
マックス・フォン・シドーが素晴らしく
主人公に共感できるか否かで評価がかわりそうな気もします。
個人的にはちょっと共感しにくい部分もあり…。
主人公がアスペルガー症候群(?)であるというような描写がありましたが、
それを理解できるかどうかでしょうか…。
マックス・フォン・シドー演じる老人が実に素晴らしくて、
彼の出ている一連のシーンがもっとも印象深かったです。
原作では、第2次世界大戦で悲劇に見舞われた祖父母の物語も描かれるようですが、そこはだいぶ省略(2時間の映画に収めるには、そのほうが散漫にならずによいのでしょう)。いろいろと背景を想像させるものがありましたし、つらい過去や現実をうけとめて、それでも生きている大人として共感がもてました(それは他の大人の登場人物も同じ)。
マックス・フォン・シドーがアカデミー賞ノミネートされたのは、非常に納得。場合が場合なら受賞してもまったくおかしくないなぁ…と個人的には思ったのでした。
父性とは・・・。
個人的に思うところがあって9.11には距離を置いて来たのですが、
本当に原作が良かったんですね。9.11の悲劇+父親と息子の話かと思いきや、
母親と祖父母の存在も重要な時間軸も長い家族の物語でした。
最近は父性について考えさせれる作品が多いなぁと思います。
幼少の頃に離婚した父との思い出はなく33年振りに再会した時には病んでいて時既に遅し、
父方の祖父は探し出した時には亡くなった後、母方の祖父は両親の結婚前に世を去っていて、
子供がいない僕は、父性を感じ得る機会が全くありませんでした。
僕はこのまま父性が欠落した人格のまま生きてゆけるのでしょうか?
おっと映画の話でした…。★4.0 http://coco.to/4034
家族の絆
大好きなお父さんが9・11で留守電を残して亡くなる。主人公の少年の悲しみ、苦しみ、それをどうにかしょうとする時、お父さんの遺品の鍵とブラックと書いた文字が見つかる。町中を探し回りお父さんの痕跡を捜し歩きおばちゃんや間借り人(演技が上手な人)との関わりの中で再生していく物語。一番協力したのは助けを求めなかった母だった。ここで題名の意味がわかりました。
お金を払ってカウンセラーをやらされた気分
とても重要なテーマを取り上げていて、優等生の映画だと思いました。
ただ、全体的に主人公の悩みや憤りが、一方的に観客にぶつけられているようで、
どうしたもんかと、複雑な気分になりました。
その割りに見終わった後の感動は、それほど大きくなかったように感じます。
311を経験してしまうと、やはり物語でしかないなぁ、と感じました。
いつの間にか、涙が一筋。
事前情報なしで見たので、こんな話だったのか~、私はやっぱりアクション物が好きだな~と言うのが、正直な感想。
10歳と言えば、小学4年生くらい。
小学低学年でもないけれど、高学年でもない、中途半端な年頃。
9.11で亡くした大好きなパパとの絆を再確認したいオスカーは、鍵を見つけ、鍵穴探しを始める。
オスカーが求めていた物は、自分の心を開ける鍵。
彼があの時した行動は、そうせざるを得なかったことなんでしょう。
いつまでも引きずってしまうよね。
わかる。わかる。
沢山のブラックさんとの交流や、しゃべれない老人との関わり。
なぜか、母には辛くあたるオスカー。
その謎も、最後には解明。
時間を得て、やっと言えることもある。
でも、オスカーは、確実に父と母から愛されて育っている。
母だって辛かったはず。
でも、それを乗り越えられたのは、やはり、オスカーがいたから。
そう思うと、いつの間にやら涙が一筋でていた。
途中、少し中だるみ有りと感じた。
独りじゃなかった
少年オスカーのトーマス・ホーンが素晴らしい。長台詞もこなし、この作品の実質的な主演にあたる。これはエンドロールで、トム・ハンクスとサンドラ・ブロックが一緒なのに対し、直後にトーマス・ホーンの名が単独で出ることからも分かる。
オスカーは、父の死に於いて大きな十字架を背負っている。
母親はもちろん、誰にも話したことのない重い十字架だ。
母親をはじめ、周りの大人達は、オスカーの心が不安定なのは、父親のことを忘れられず、父親の死を受け入れられないからだと思っている。
もちろん、そうなのだが、根はもっと深いところにある。
オスカーにとって、偶然見つけた鍵は、父親の遺品であり、父親との絆を繋ぎ止めてくれるたったひとつの拠りどころだ。
何がなんでも、鍵の秘密を解き明かしたい、そのエネルギーは十字架の重さにもがき苦しむ反動によるものだ。
だが、オスカーは独りではなかったのだ。いつだって母親が見守っていた。オスカーが気がつかなかっただけだ。
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い存在。
母親とはそういうものかも知れない。
そしてまた、オスカーも母を辛さから守り通したのだ。
だからこそオスカーが歩きまわった軌跡を、母親と共有できたシーンには、喉に塊ができてなかなか落ちない。
「何かが分からないよりは何かが判っただけでもよかった」。オスカーの負の心が解き放たれ、思考が前向きになった証しだ。
前向きな人の前にはサプライズも待っているものだ。
そして、祖母と間借り人が楽しい。
素晴らしい作品
ほんと素晴らしい映画でした。詳しく書くと観ようって思ってる人の感動を薄めると思うので控えます。ただヒルズの大映画館の満員の観衆からは多くのすすり泣く音が。
人はかけがえのない人を突然に失った時、現実にどう向き合って受け止め乗り越え、またその人の死から学び成長していくんだろうとの一つのメッセージが込められた作品。
アメリカ全土いや、世界を悲しみのどん底に追いやった10年前の9.11、たくさんのアメリカ人がもがいて苦しみながら2本足でしっかり歩みだせる力を模索してきた。
東北、いや東日本の人たちなら誰もに多かれ少なかれの大きな心の傷を残した3.11から間もなく1年、偶然にも今立ち上がりつつある日本人への強いメッセージを含み、この時期に公開を迎えたこの作品、日本へのメッセージも込めて是非とも2月26日最優秀作品賞を期待したい。お子さんがいる方々は必見です。
アメリカ合衆国の回復
9.11が米国民に与えた影響をより生々しく描いた作品。そしてこの事件を機に様々なものを失い、下を向きつづける人々の背中をポンと押してくれる。元々小説だったものを映画化しても平気であるくらいに精神的に回復したアメリカ合衆国を思うととても喜ばしい。やはり、ビルが人を波の如く飲み込み倒壊する様は何度見ても心が痛い。この映画は絶望の淵に立たされた国民が、平穏で普段の暮らしに戻れるまでの軌跡を、少年オスカーの生き様に投影して描いたものである。忘れてしまいたい現実を真っ正面から受け止めた時に人々の心に訪れる恐怖や悲しさ、苦しみ。心に抑圧された、もやもやした感情をオスカー少年は具象化し、見る人の心に宿す。悲しくも安堵の感を抱かせるドラマにたまげた。
“最悪の日”に、さよならを
この映画のタイトルが意味するもの。
それは、主人公・オスカーの五感に飛び込んでくる映像や音ではないかと思いました。
感性がとても特殊なオスカーには、様々な物事が何でもストレートに吸収されていく。それが、不器用だけど豊かな発想があるという個性を築いています。
でも、その個性によって“最悪の日”から、彼自身は内なる攻撃を受けます。
2001.9.11 朝━━
それ以降、雑踏や喧騒が目を、耳を、肌を容赦なく突き刺し、情緒を掻き乱す。オスカーはそれらを怖がるようになり、“うるさくて、近い”と感じるようになったのではないでしょうか。
自分のことを誰よりも理解してくれたパパ。怖いものに押し潰されそうになっても、パパは支えてくれた。
でも、そんなパパは“最悪の日”以降、もういない……。
父親の死から心を閉ざしていたオスカーは、父親の部屋で何かの鍵を見つけます。
この鍵穴の向こうに、パパからの最後のメッセージがある…!
そう信じて、手掛かりであろう“ブラック”をもとに、NY中のブラックさんを訪ね歩き、交流します。
途中から、祖母宅の間借り人のおじいさんも協力します。一切喋れず、すべて筆談で関わりますが、その表情は言葉以上の力を感じました。
涙が溢れてくるシーンは、いくつかあります。
9.11以降、生ける屍のように放心する母親に、父親の死の悲しみをぶつけ、冷たく当たるオスカー。
鍵穴探しに難航し、堰を切ったような早口で、間借り人に感情をぶちまけるオスカー。
そして、鍵の真実を知った時のオスカーの姿は、とても辛くていたたまれなかったです。
でも、母親はそんな息子を優しく受け止めました。何も知らないようでも実は、オスカーをちゃんと見守っていたと気付いた時は、温かい気持ちになりました。
この映画には、鍵の他にも重要なアイテムがあったと思います。オスカーがお守りのように持っているタンバリンです。
情緒を安定させるための必需品で、大部分で断続的にシャランシャランと鳴り響いていました。
でも、最後には鳴らなくなりました。
きっと、“うるさくて、近い”から克服できたことを示しているのでしょう。
また、その努力の結晶が、こじつけ感アリアリですが、父親が出した謎である、“第6行政区”の答えではないでしょうか。
オスカーが“最悪の日”に手を振って、さよならと言えるまでの、長く不思議な旅でした。
亡くなった魂は死後も生き続づけ、遺族をきっと護り導いていてくれているだろう
映画フリークの私としては、アカデミー賞に関係する映画は一応観て置きたい衝動に突き動かされるが、この映画を観るには相当迷いがあった。あの911事件から僅かに10年しか時が経っていない。私は、被害者遺族でもなければ、アメリカ人でもないが、あの事件の後も幾度もNYを旅して、決して被害者遺族のみならず、あの日、NYにいた人々であの悪夢の影響を受けてなどいない人は恐らくいないと言う事実を知ったから。
事件後、911の恐怖がトラウマとなり、その後の人生を辛い想いの中で現在も生きている人に何人も出会った。その後、アフガニスタンやイラク戦争へとその被害は拡大され、イラク戦争などで亡くなられた人命は数え切れない。その遺族の事を思うと冷静に映画を物語として観ている事が難しいのだ。
あの911には謎が多く、陰謀説なども存在しているが、その総ては‘藪の中’であり真実が明らかにされる日が巡って来るのは、きっと遠い未来の事だろう。
公式発表では、2753名の方が亡くなり、うち日本人は24名と発表されているが、その亡くなられた方々全員に、家族があり、友人・知人がいるのだ。そしてその被害者を知る人達の多くが、今もその苦しみを克服しながら懸命に毎日を乗り越えようと生きている事実があるのだ。
この映画は、特別に911で父を亡くしてしまう息子のドラマでなくても、父と息子のドラマとして存在は出来なかったのだろうか?
しかし、その一方でオスカー少年と変わらぬ想いで暮している現実の遺族も、必ず何処かにいるのだろう事を想う時、決してこの、忌まわしい事件を埋もれさせてはいけない気も同時にする。
そして、この映画の唯一の救いは、亡くなってしまった父親の存在が、そこで終わってしまうのでは無く、遺族の心と暮らしの中で、今も共に存在し、悲しみの原因ではあるけれども、同時にその死が遺族との関わりを絶ってしまう別次元の世界の出来事ではなく、遺族への愛を立派に育んでいて、ついにはオスカーの希望へと昇華している事だ。ラストのブランコを懸命に漕ぎ続けるオスカーが心に焼き付いた。
オスカーを演じたトーマス・ホーン、そして間借り人のお爺さんを演じるマックス・フォンシドーがこの映画の命であったのは確かだ。彼らの素晴らしい感性無くしてはこの作品の成立は無かったと思う。
オスカーが、このお爺さんを、家に呼び入れた時に、オスカーと父トーマスの写真がリビング置かれている、そのアップショットで、私は涙が溢れ出し止まらなかった。
オスカー少年が鍵を探している事を知った母親が、内緒でブラックと言う苗字の家々に先回りしていたと言う話しは、少しばかり出来過ぎているようで、そんな話しにしなくても良かったのにとも考えるのだが、そんな事にナンクセを付けようする自分の小ささに嫌気がさした瞬間でもあった。
何故911のような人災が起きてしまうのか、その原因の特定はとても一口で簡単には語れないだろう。真実が明かされるのも、ずっと先かもしれない。
しかし2度とこのような惨事が、この地上の如何なる地域でも起きない事を願い、911で他界された被害者のご冥福とご遺族の今の日々が安らかである事をお祈りしてレビューを終わる事にしたい。この映画を制作してくれた事に感謝を捧げたい。
間借人に完全しびれました
愛する大事な人を唐突且つ永遠に失う事は何て残酷で痛いんだろう。
トムの演じた父の愛はどこまでも大きく、少年の傍らに“ものすごく”近く、サンドラの母は“ありえないほど”(同じ母として私にはここまでの力はないと感服)深く、強い。
主人公の少年の演技力はもちろん卓越しています!!!!
が、私はこの両親に泣きました。
そして両親をも凌ぐ、素晴らしい存在が“間借人”…心にしみました。もっていかれました。
辛い内容だったけれど観てよかったです。
ニューヨークのブラックさん達(拒否した方も)私からもお礼を言わせて下さい。
子供らしく
時として子供は凄く残酷だ。
大人の事情などまったく関係なく本能のまま生きてる。
でもここで描かれたオスカー少年はそんな一面を見せつつも
利発で物事をしっかりと分析して考えられる。
だからこそ精神不安定な状態に陥ってしまう。
子供に縁遠い自分だからなのか、そんな「大人子供」のオスカーの言動や行動
に少しも共感できぬまま時間が過ぎていった。
世の中にはオスカーのように利発ゆえに同世代の子供たちに巧くとけ込めない
思いをしている子が沢山いるであろうこと
そんな子供達が日々、精神との葛藤をしているであろうこと
そんなことを考えながら鑑賞していたときに、オスカー少年が母親に言い放つ一言。それを受けての母親の言葉。
たまらなくグッときました。
人はさまざまな人とのかかわり合いの中で、人生を生きていく
でも、究極自分自身で乗り越えていかなければ行けないことは山ほどある
最後に小さな希望を見出したオスカー
がんばれ、君により良き人生が舞い降りますように!
もう、タンバリンは鳴らさない。
好きな映画です。とても良かった。
オスカー少年は、自分が人と違う感性の持ち主だと知っている。
それを自覚しつつも、どうにもできない。
父の死に関すること全て、感受性という名のアンテナが際限なく辛い事象をキャッチしてしまう。
故に感情の波に折り合いが付けられない。
向き合えないけど向き合いたい。
再び父に会いたい。
父のメッセージを聞きたい。
やがて迎える旅の終着点は何処へ。
9.11後の世界。
その被害で亡くした父を思い、苦悩する少年と、彼を支える周囲の大人達を描いている本作品ですが、これに限らずとも、身内の死を経験しそれとどう向き合うか、どう乗り越えていくのか、というテーマは非常に難しいものがあると思います。
描き方にしても、余りに重苦しいと観ているのが辛かったり、かと言ってライトなポップ調にしてしまうのも、何だかちょっと違うなあ、と。
でも、この映画はその「あいだ」を上手く汲み取ってくれていると思いました。
所々に軽い笑いの要素を入れ、それが重くなりがちな展開に緩やかな役割を果たしてくれてるというか。
トム・ハンクスのコミカルな動きや、祖母とのトランシーバー交信、物言わぬ老人との交流、出会う大人や子供達の個性的な性格なんかで、かなり救われるというか。
ただ、オープニングの表現は結構ヘビーだと個人的には感じました。
このモチーフ使っちゃうのか、と。
人によっては結構不愉快になってしまうんじゃないかな、という。
劇中でもこのモチーフは度々挿入されるんですけど、本国ではどういう受け取られ方されたんでしょうか。
それ以前に『9.11』を描く、という時点で拒否反応示す人も居るでしょうし。
いやまでも、このモチーフがラストに繋がる布石でもあるので、そこ含めて自分はとても好きなんですけどね。
オスカー少年の心の叫びを129分間、ずっと浴びせ続けられるこの映画。
率直に言って、人を選ぶと思います。
ナイーブなテーマです。
日本も3.11を経験しました。規模にも辛さにも大小など有り得ず、感じるものは人によって様々な訳で。
この映画に嫌悪を抱かれたとしても、それは仕方のないことでしょうし、本当に難しい。
自分は、見当外れかもしれませんが『考えることを止めてはいけない』というメッセージを、自分なりに受け止めました。
絶望、そして希望
阪神淡路大震災から15年が過ぎて「劇場版その街のこども」が上映された。そして2001.9.11から10年が経ちこの映画が作られた。未曽有の悲しみを負った遺族の絶望感、恐怖、不安を映画にするにはこれだけの時間が必要なのかとあらためて感じた。この映画がこの時期に公開されたことは、とても重要ではないか。日本はまだ悲しみから抜け出せないでいる。当然だ。家族を亡くした悲しみは消えないし、失ったものは返らない。解決などないのだ。唯一あるとすれば、自分の力でそれを乗り越えることだと、この映画は教えてくれる。そしてそれを陰で支えてくれる人がいることも…「日本もいつか立ち直り、振り返れる日が必ず来る。だから今はたとえ意味のない扉だとしても、探して開けてみろ、怖いけど勇気を出して橋を渡ろう。先に渡った僕らが言うんだから信じて踏み出してみよう。必ず出来るから」この映画はそう伝えているように思えた。この映画の日本公開に感謝したい。
原作も読みたくなりました
こういう映画って、何と言ったらいいのか。
ほんとうに心に迫る映画……、言葉に詰まってしまいます。
主人公の少年、もちろんとてもよかったです。
トム・ハンクスも、嫌みなく「お父さんお父さん」していて。
サンドラ・ブロックのお母さん、自分も傷つきながらも、
小さな心で悲しみを受けとめようともがく息子を見守る感じが
自然で、よかったです。
それから、少年のおばあさんと、間借り人のおじいさんの存在。
温かくて、でも子供だからといって、少年に優しくするばかりでなく、
少年とちゃんと向き合っていて。
それぞれの登場人物が、それぞれのつらい現実を見つめるシーンは、
涙があふれて仕方ありませんでした。
この映画から、たくさんの宿題をもらった気がします。
原作もこれから読みたいです。
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