「9.11から20年」ものすごくうるさくて、ありえないほど近い yumekoさんの映画レビュー(感想・評価)
9.11から20年
9.11から20年の2021年。おすすめされて観た。
突然多くの人の命とその周りの人たちの日常を奪った、あの最悪の日。
傷ついた少年の心をとても上手に表現していた。
亡くなった夫を悲しむ妻は、母親としての役割を果たしている。妻として最愛の人を悲しんでいるだけではいられない。前に進まないといけない。
少年も、いろんな人に出逢い、それぞれの悲しみを知り成長していく。大人だって、誰かの子供であり、親との関係を悩み、まるで子供のように泣くのだ。
親は子供の知らないところで、子供のことを見ているものだ。自分の経験も含めてしみじみ感じた。
私は小学校の頃、ある時期、仲間はずれにされていた。クラスの一部の中心のグループから無視されていた。そのことは、親には内緒にしていた。でも、親は知っていたのだ。グループのリーダーの子の家に電話をしていた。親が電話をかけたことは、私は後に知ることになる。子供心としては、なんで?と嫌な気持ちにもなったが、それが親なのだ。親は子供が心配なのだ。結局、そこから、仲間はずれは終わった。その仲間はずれにされたことで、私は人の痛みを学んだ。
9.11。友人がWTCで働いていたので、ニュースを観た時のあのショックな気持ちは今も忘れない。友人はギリギリ助かったが、友人の上司は亡くなった。その後、友人は長い間、PTSDに苦しんでいた。
どんな苦しみも、同じような実体験をしたとしても、その人の気持ちは、本当にわかることはできない。何事も、想像の域を出ることはできないのだ。でも想像力を働かせて、人に寄り添う気持ちを持てる人間になりたいと思う。
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