北のカナリアたちのレビュー・感想・評価
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阪本節全開の映画で、全体的にはよかったのですが、今一つ乗れなかった。
阪本監督が好きなので、見に行きました。
いつものことだけれど、阪本監督はスターさんの扱いがうまい。
映画の最初に、しかも登場順で、役者さんの名前が出るのは阪本監督の作品らしい。
オールスターの映画でも、いい役は一部の人で、他の人は死んでしまうか、素人の子供のサッカーみたいに、ボールのところに集まるように進行していくものが多い。
でも阪本監督の映画では、ちゃんと一人一人見せ場が入っていて、死んでいる人はいないし、それでいてバラバラにならず、ちゃんとまとまっている。
本作もそんな感じの阪本節全開の映画でした。
ただ、残念ながら今回は、誰のところにいっていいのかわからなかった。
本来は吉永さんのところにいくべきなのだろうけど、正直、いつもいい人の吉永さんはあまり好きではなく、感情移入できなかった。
他の人も、いい役ではあるのだけれども、ちょっと入れない感じ。
もしかしたら、カメラの木村大作さんがポイントゲッターなのかもしれないけど、職人技的な感じで、派手にポイントを稼いでいる印象はなかった。
個人的にはいい映画だと思うし、感動したのだけれども、今一つ乗れなかった。
吉永さんのファンの人が見るのが、一番入りやすいと思う。
配役に救われてると思うよ
泣ける所もあるが、それは内容よりも配役の方々の力があった
ように思う。
森山未來や松田龍平、満島ひかりなどの演技力で、ついつい
涙が伝う場面は数回ありましたが、ストーリーで泣けた訳では
なかったなぁ。
まぁ、それほどストーリーが悪い訳ではありませんが。
吉永さんも素敵でしたが、若い頃の吉永さん役は、正直違う方に
しても良いと思う。
多少顔が似ていなくても、さすがに往年のサユリスト達も、みんな
妥協してくれるでしょう?(笑)
北海道民の私としては、見慣れた地名や風景が出てくるのが
嬉しかったが、新聞やテレビで撮影時に騒がれていた割には
少々印象が薄かったかな。
利尻や礼文の離島風景がもっとあっても良かったなぁ。
どうしようもないくらい 君を想う
たくさんの人がこの映画を見て感じている「不倫」に対する憎悪
世間一般の倫理の前に、必ずしも否定されてしまう
なぜだろう?
人が人を想う気持ちに変わりはないと僕は思う
だから先生は定年までも独りだし、これからもずっと独りで生きて
行くのだと思う
自分の犯した罪の罰を背負い、この人はずっと生きてきたのだ
叶わぬ想いを胸に秘めて生きている人はこの世界にはいっぱい居て
そんな想いのほうが尊くさえ思えてしまう自分はやはり捻くれて
いるのだろうか。
一時の感情や欲望に流されるだけの色恋話なら、僕も否定すると思う
でもここで描かれた先生の「それ」は違うと。
どうしようもないくらい人を好きになり、いとおしいと思うことは
誰にでも起こりえるのだ
さすがに20年前の先生は小百合さんで無くてよかったのではないか
とか
最後に「独りじゃない」って言っている5人の同級生。
だったら20年ほっとかずに、もっと大切に思い合い生活しろよ
とツッコミどころ満載でしたが、久々に泣きましたよ。号泣です。
これからは先生も含めてみんなで助け合い、生きていってほしい。
ふるさとがあり、仲間が居る6人がとても羨ましく思えたラストでした。
岩場でバーベキューはやめよう。
湊かなえの原作は「原案」にとどまっている。うん、それならいい。
私は原作を読まずに今作を観たので、まさかこんな話を本当に
書いているのか!?と人気作家の評価を突き落としそうになった。
あの…特に設定・風景・キャスト、子供達の歌声には申し分ない。
それ以前に、もういい加減、吉永小百合には年相応の役どころを
やっていただいたらどうなんだろう。もちろん一本まるごとである。
いや、分かる…。タモリをはじめ、サユリストの皆さま方は、未だ
美しい彼女が、例え30代の役柄だって観たい!いいんだ!それで!
…っていう、ファン心理は確かに分からなくはない。だけど…。
私は前作で渡辺謙のお膝にのってしまった小百合さんに絶句したが、
うわ、何だよ、今回は仲村トオルなんだって?しかもラブシーン?
ない、それはない。絶対にムリ。だってビーバップ世代だよ~(泣)
誰かこの脚本(原作にはないらしい)を止める訳にはいかなかったか。
恭兵が夫…もキビシイかと思ったけど、彼とは6歳差だった。
そして父親役の助さん(古!)、里見浩太朗とは9歳差だって。
その中間地帯を演じられるあの美しさは確かに凄い。(よ!液晶女優)
でも…ムリなんだ、美しさは若さとは違う。落ち着き払った60代の
仕草で、無茶な行動に走るのは、どう見ても小百合さんくらいのもの。
誰も止めてくれないのなら、自分で降りる勇気が必要かもしれない。
さて。。
実はまだまだあるんだけど、とあるレビュアーさんの感想を読んでたら
噴き出してしまった^^;もうツッコンでたらキリがない凄い話なのである。
確かにミステリーの要素はある。先生が島を出た理由、そこに至るまで
何があったのか、生徒の証言で繋いでいく冒頭~は、まずまずだった。
しかし…とにかく恋愛を絡め始めたあたりからが、いけない。
口を利かなかった二人が恋に落ちる、まぁ唐突だが仕方ない。
実は大人になって私も不倫していたの!とばかりに、
会社に妻が乱入してくるシーンは、まったくもって、いただけない。
夫が動物虐待をしていた、バーベキューであの告白、さらに人命救助、
妻をトオルの元へ行かせる…っていう、まったく分からない行動模様。
子供達を伴った楽しいバーベキューの席で、あんなこと言うか普通…^^;
末期患者を看病する妻の苦悩は分かるとしても、どうしてあんなに
この物語ではみんなが恋に落ちてしまうんだろうか。寒いせいか?
追われる生徒役となった森山未來の演技は確かに巧かったけれど、
だからって北国育ちの男の子は、あんなに寒さに強いものなのか?
あの廃屋で一体どのくらい待っていられるというのだ。
あぁ~。なんかもう、面白いくらいツッコミたくなるからもうやめとく…
美しい景色、美しい歌声、美しい小百合様。
美しさ三拍子あれば、なにをやっても許されることの代表のような作品。
昔の吉永小百合作品を観たことがあるけれど、あれがホンモノの若さ(爆)
キムタクや松田聖子と同じで(ごめんなさいね、同じにしちゃって)
その看板を背負って生きねばならない国民的スターは、晩年になっても
そうやってろ、ってことなのかなぁ。でも女優は違うと思うんだよなぁ。
あのヒト何やってもコレだよ。なんて言われない演技を魅せて欲しいもの。
(誰かが方向性を変えてあげるべきなのか。今から挑戦、液晶アクオス)
オレ生きてていいんだよね
小学校の合唱といえばオレもロシア民謡をやらされた。当時は音感がよくなかったから、口パクやってたような気がする。でも今はその影響かどうか、ジャンルを問わずミュージックは好きだ。カラオケも好きだ。ロシア民謡は何曲も歌える。ミュージックのない世界は不毛だ。合唱をやらせた先生に感謝する。キャストが登場順となっていた。なぜ?ラストの再会でその理由が分かったような気がする。ドバッと涙がでた。そんなに泣かせるシーンではないと思うが、そこまでの木村大作の美しい映像(夕景の赤と青、雪景色の白など)もあって、感情を大きく揺さぶられるのだ。「剱岳 点の記」も映画らしい品のある作品だった。木村大作、おそるべし。
いい話「げ」な映画(゚∀゚)アヒャ
吉永小百合ファンの方、そしてこの映画が好きな方には大変申し訳ないけど・・・
俺はこの映画駄目(;´Д`)
まず脚本があの『デビルマン』の那須真知子ということで、色んな映画を観に行った時に流れる予告編を見た時から嫌な予感がぷんぷんしてた(;・∀・)
それに吉永小百合は清純派のイメージから脱却できないまま今に至ってるという感じがどうしても拭えなくて、『手塚治虫のブッダ』の声優でも思ったけど、ナレーターみたいな説明台詞と声質だから「良く言えば古風、悪く言えば古臭い」んですなこれが(;´∀`)
ただ還暦を過ぎてあの若々しさを保つのは凄いと思うし、だからこそ若い頃からのスター性を持続できてるのはさすがだとは思う。
でも・・・今をときめく若手役者との夢の競演ワチョ――ヽ(・∀・)ノ――イ♪みたいな宣伝文句だけど、正直言って森山未来、宮崎あおい、勝地涼、満島ひかり、小池栄子、松田龍平あたりの若手との相性は良くないんじゃないかと思う。
しかし思ったよりはストーリーはしっかりしてた(∩´∀`)∩ワーイ
人によっては感動する映画に映るかも知れないが・・・俺はそうはいかん(゚∀゚)アヒャ
まず子役の使い方が上手くない(´ヘ`;)ウーム…
特にノブちゃんは吃音ってことだけど、「うあ~~~~!!!」とか叫びながら走り出すのが不自然過ぎるヾ(゚Д゚ )ォィォィ
吃音の演技もわざとらしいし(ノ∀`)アチャー
学校の教室で勉強中に子供同士の喧嘩を止めるのに、ノブちゃんのうめき声で音程を合わせさせてカリンカを歌わせて、そこから生徒全員の合唱に発展して・・・これ強引過ぎる(゚∀゚ ;)タラー
その後練習を重ねてコンサートするようになるのはいいけど、そのコンサートで歌うのが山下達郎の『クリスマス・イブ』で、さらに雪の中道すがら歌ってる井上陽水の『夢の中へ』って・・・ちょっと方向違うんじゃねえの?
まあ今の音楽の教科書には載ってるからいいけどね(・∀・)ウン!!
大人に成長した森山未來の演技は、吃音も含めて大変素晴らしいと思うけど、そこに目が行き過ぎて他の5人が霞んだ印象になっちまうのがもったいないな~(;´・ω・)
映画の冒頭で、先生が雪の中島から出ていくシーンがあって、可愛がってたノブちゃんから石を投げつけられて・・・という何ともいわくありげなシーンがあるけど・・・
先生が島を去ったのは不倫してたことが発覚して村八分にされたというげんなりな落ち(;´∀`)
そりゃ~石をぶつけられても仕方ないヾ(゚Д゚ )ォィォィ
しかもこのことは始まって結構早い段階で分かる(・ω・)
そして先生の旦那は不倫を知ってる。
なのに何も言わない理由が全く分からんし、その不倫に至るなれ初めも、不倫相手の仲村トオルが手を負傷したのを偶然見かけて・・・ますます分からん(;・∀・)
人質を助けられなかったことに対して心に傷を負って・・・というエピソードは分かるが、それで不倫に至りますかね???
あと旦那は脳腫瘍で余命いくばくもないって設定だけど、そこまで重病なら普通に家で本なんか読めんだろ??
あと柴田恭兵老けメイクし過ぎじゃないの??
もう少し若くてもいいと思うんだが・・・不治の病だからって野良犬を殺そうとしちゃダァー(゚ω゚)bメッ!!
さらに足を滑らせて海に落ちた生徒を助けるのに海に飛び込んでるし、良くそんな体力あったな~Σ(゚Д゚ υ)
そしてそういう衝撃的な絵を見せるシーンで、テーマ曲のバイオリンを挿入するのは安直だな~(;・∀・)
何回もやれば一種のパターンで笑えなくもないけど(゚∀゚)アヒャ
やるなら2回じゃ少ないだろ!!せめて5回くらいやれ( ゚Д゚)ゴルァ!!と言いたい。
先生が島に戻ったのは、森山未來扮するノブちゃんが殺人事件の重要参考人になってることを聴き込みに来た刑事から聞いたから、当時の生徒に会って情報を聞こうとしてたんだが・・・「誰々なら知ってると思う」「もしかしたら誰々なら・・・」みたいな感じでたらい回しにされてる感じがどうしても( ´,_ゝ`)プッ
そして1人1人と会うわけだけど、一番突っ込みたいのが宮崎あおいと勝地涼。
いつから相思相愛だったの???
唐突過ぎて意味が分からん(゚⊿゚)
つうか子供の頃傷つけたことを後悔してるってことなのに、何であんな簡単に抱擁し合うような恋愛感情に発展するの?ヾ(゚Д゚ )ォィォィ
あと勝地涼が先生と会うのはどう見ても都会なのに、話しながら歩いてるのは大雪が降る田舎道(*゚Д゚) アレ?
さらに路面電車乗ったりしながら宮崎あおいが勤めてる幼稚園に行くが・・・一体何時間歩いてきたんだ?(;´∀`)
しかもそこで仕事に戻るってォィォィヾ(゚д゚;)
そして小池栄子が仕事してるあの造船所・・・何あれ?
あんな錆びついた廃船を雪が降ってるような寒風で溶接するかね?
そこに不倫相手のかみさんが来てビンタ(゚∀゚)アヒャ
まあ修羅場はおもろいからいいんだけど、その次のシーンではそのビンタした人落ち着いて子供の手を引いて歩いて帰ってるし∑(゚ω゚ノ)ノ
そこで小池栄子は、子供の頃先生の不倫現場を偶然見かけた時は嫌だったけど、大人になって「人を好きになるとどうしようもなくなるんです」って・・・まあいいけど不倫の証拠をいとも簡単につかまされてるあたり杜撰としか言いようがない(´・∀・`)
つうか田舎ならそんな噂あっという間に広まることなんか簡単に分かるはずなのに堂々と不倫をしてる先生が一番杜撰なんだけどね(・∀・)
一番分からんのが先生のお父さんの助役。
不倫やめろと言ってたのにその不倫相手が実家にはがきを送ってくるのをしみじみと教えるって一体どういうこと???
さらに戻って来た娘に「お帰り」なんて声をかけてるし・・・大した確執もねえんだな(・∀・)イイネ!!
そいつがやってるのが海外で爆弾処理の仕事という、いかにも取って付けたような落ち( ´_ゝ`)フーン
森山未來は島に戻って来たところ身柄を確保されるけど、あんな大雪の中倒壊した廃屋に隠れてるってどういうことだ???工工工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工工工
まず寒くて凍えるだろ??
さらに倒壊した廃屋の中なんて危険だろ???
そして先生は、冒頭で大嘘をついていたことが発覚!!(`・д・´)9m
先生はノブちゃんから電話を貰ってて、警察に追われてることもみーんな知ってて「島に隠れてなさい!!」と言ったわけです( `д´)b
にもかかわらず何でいちいち生徒1人1人のところを回って事情を聴く必要があるんだ?と言いたいが・・・それを言うとこの映画自体成立しないからまあいいとして・・・
これ犯人隠匿及び虚偽報告ですから~~~~ワチョ――ヽ(・∀・)ノ――イ♪
あんたが話をややこしくしてんだろうが!!!( ゚Д゚)ゴルァ!!
にもかかわらず警察は事情聴取すらしないのはどういうことだ???
ラスト近くで廃校になった小学校の教室に生徒6人そろって歌を歌うシーンは、確かにいいシーンではありますよ(・∀・)イイ!!
一応刑事も歌が歌い終わるまでノブちゃんの身柄確保を待っててあげる。
まるで逮捕するのが野暮だとでも言わんような展開は、全然いい話とは言えません(ヾノ・∀・`)
そこからノブちゃんが船に乗って警察に行く時に先生が「みんな~あなたが~好きだから~~~~!!!」
(´Д`)ゴゴゴ・・(ノдヽ)ゴゴゴ・・( 乂 )ゴゴゴ・・ヾ(`Д´)ノ゛ゴルァァア!!
まずおめえも警察に出頭せいやヽ(`Д´)ノプンプン
この先生清純派を装った大した玉ですな~(´Д`)ハァ…
つうか何この厚顔無恥っぷりは?ある種の恐怖すら感じるガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
制作陣はこの映画で一体全体何を描きたかったのか・・・
大人になったら色々あるけど子供の頃教わったことはずっと残るってこと?
それに恋愛を絡めたかったのかね?
だとしたら先生の不倫のエピソードはいらんだろ( ゚Д゚)ゴルァ!!
あくまでも先生は狂言回しに徹して、各生徒の人間ドラマを充実させていけばもっと見どころがある映画になったと思う。
ただ若手役者の演技は大変良かった( ゚∀゚ノノ゙パチパチパチ
特に森山未來の体を張った演技と吃音演技は素晴らしい(・∀・)イイ!!
あぶない刑事ファンとしては柴田恭兵と仲村トオルの共演(しかもブラザーw)は良かったな~゚+。゚(・∀・)゚。+゚イイ!!
とにかく台詞も説明的過ぎるし脚本が杜撰。
吉永小百合のキスシーンや海飛び込んで泳ぐシーンは貴重だしお宝映像(・∀・)ウン!!
その体を張った演技はいいと思うが・・・言い知れぬ脱力感がひしひしと(;´∀`)
簡単にまとめるとこんな感じ。
みんなから慕われてた先生がいわれのない濡れ衣を着せられて島を追い出された・・・と思いきや実は不倫してました(゚∀゚)その不倫相手も心に傷を負ったけど今は爆弾処理にいそしんでます。成長した生徒も色々あったけど元気です。以上。
非常に(゚⊿゚)ツマンネ
長めの吉永小百合のPVと思えばc(´ω`o)ォヶ
全員主役級のスターが勢揃いの吉永さん映画!
現在と過去の時間軸をうまくつなげた、静かなサスペンスに仕上がってました。
話はたいそう面白いと思う。
吉永先生や、生徒たちがそれぞれにこうと思っていることが全て‘実はこうだった…’という話をうち明かしながら進行していきます。
100%分かり合いながら生き抜くことがなんと難しいことか…
それにしても、吉永小百合はじめ、出演者たちがなにげに豪華!!!
子役が大人になった配役なんて宮崎あおいはじめ主役級のスターばかり!!
子供たちの歌も激ウマでしたよ。
ラストは思わず涙がボロボロ…
しかし、久しぶりに‘純’日本映画っぽいもん見た。
地味に静かにくら〜く進みます、こんなストーリーだから仕方ないか…。
それにしても吉永さん、すごい綺麗だし、さすがです!
北の海に飛び込んじゃうなんて…ただ綺麗なだけじゃなくて役者魂も超一流な感じでした!
吉永小百合様への敬意が詰まった映画
先ごろの「あなたへ」そしてこの「北のカナリアたち」
日本映画を牽引してきたお二方に
主演級の若手も共演を切望したであろう風が詰まった映画。
作品的には、湊かなえのそこそこな話を
少々ご都合的にアレンジしてあるのでイマイチ感は否めず。
しかし御年重ね貴重な数本になるでしょう小百合様を
スクリーンで拝見を目的に
木村さん撮影風景をゆるりと堪能目的で・・・ってとこでなら十分かと
生きよう辛くても
良かった!邦画の今年1番です。脚本もキャストも素晴らしい。
子供達の透き通った歌声が大人達の荒んだ心に届いてほしくて、切なくなります。
柴田恭平が舞台挨拶で、「みんな誉められたかったんです、吉永さんに誉められたくて頑張ったんですよ」と話してた言葉を思い出しました。
役者が全面に出過ぎて本筋に入り込めない事は大物俳優の映画にありがちですが、この映画はむしろ生徒5人の役者たちが、本当に吉永小百合を慕う温かい絆が伝わって来て、それゆえになおさら切なくて悲しくて、入り込み過ぎて観ている自分も生徒になりたくなりました。
人間は脆くて、でも強いなぁ。だから生きているって言葉は重くてそして暖かい。
出演者皆それぞれ素晴らしい!昔似た伊映画、「汚れなき悪戯」を想い起こす秀作
大ヒットし絶賛された、湊かなえの『告白』を私は全否定していた。何故なら復讐とは言え、人を殺してしまう行為を正当化しようとするストーリーであり、しかも主人公は教師。そして幼い教え子である生徒に復讐をする事を正当化するかの様な小説の設定が、自分の感性には絶対に受け入れられないものだった。
今度の作品もやはり、教師と生徒の関係を通して描き出される、人間の深層に潜む闇の部分をあぶり出すのだが、こちらは、あくまでも、生き抜くと言う事がテーマになっている点で、今回は高得点を付けたい。しかもこの映画のラストは、理由はどうであれ、自分の犯した罪を償い、辛くても最後には再生するだろう事が描かれている希望の有る作品に仕上がっている点が多いに好感が持てる作品に値すると思う。
人生では、自分が行った日々の努力の結果が報いられずに、人生を終わらせなければならない事が有る。と言うより、人生の殆んどは満足出来る、結果を見届けた後に終わらせる事が出来る人の人生の方が、むしろ稀なケースだ。
それでも人は今日も生き、今日行ったその行動の収穫を自分自身、刈り取る事が出来ない事をたとえ知っていたとしても、それでも尚、今日行わなければならない事をやり遂げる努力をし続ける事こそが、人間に課された命を生きる事の意味だろう。正直この作品は全く期待せずに観たので、本作は予想外に良く、驚いた!
只、難点を言わせて貰うなら、はる先生を演じている吉永小百合の役処は、何故か今回説明セリフばかりで不自然な場面が多々あり、奇異に感じて、話しに集中出来難かった。
20年振りに分校の教え子一人一人の処へ、はるが訊ね歩いて行き、話しを聞く為、物語のナビゲーター役と言う設定でも有るが、過去から今日まで抱え込んで来た、一人一人の生徒達のエピソードとはる自身の想いを、はるが解説するようなセリフにする必要性は全く必要ない気がして残念でならなかった。
これでは、分校の生徒達があれ程までに、慕い大切に思っていた、はる先生の良さが、損なわれてしまう気がして、そのセリフばかりが気になってしまうのだ。
吉永小百合さんと言うスターは、誰を演じていようとも、吉永小百合本人で、相変わらずなのだが、しかし今回、余りにもセリフが酷いので、小百合さんが、このセリフを良くOKしたものだと信じられなかったし、演じ難かったのではなかろうか?
分校の生徒を演じた現在の6名は皆それぞれ、素晴らしいし、好感が持てる、良い芝居だった。
夏の美しい、自然と真冬の豪雪が、人間の生きる人生そのものを描き出しているようで、心が洗われるような、美しさを感じた。人は、自然の中で活かされ生きているのと同様に、人は他人によって活かされ、互いに助けられて、日々を生きている。
久し振りに、良い邦画に出会った思いがした。そして川井郁子の奏でるヴァイオリンの音が、より一層この映画に深みを添えてくれていた。これは今年の邦画の絶品だ!
ミステリー&ヒューマン
湊かなえさんの作品の映画化と言うことで鑑賞してきました。20年前におきた事件で利尻の分校を出ていく事になった、はるが教え子の起こした事件によって利尻に戻る事から始まる。分校の生徒ひとりひとりに会い、謎がどんどん明らかにされていく。観客を引き寄せる事実と、大半が雪の中のシーンなのに木村さんの力か風景が美しい。特に利尻富士!それと全般に流れる子供たちの歌が心楽しくさせる。一人一人の演技も良くみんなチームだから、何があっても絶対信じあうという気持ちが伝わりました。
凍て付く過去を溶かす唄
かつての教え子が殺人を犯したという報せを受けた元教師の女。
それをきっかけに、離島の分校で起きた20年前の悲劇の真相が、
教師と生徒6人の視点を通して紐解かれてゆく……。
正確には違うが、いわゆる“羅生門”スタイルに近い語り口のミステリー。
まずは役者だけでも見応え十分。
吉永小百合は、40代を演じるのは流石にやや無理があると思うが(苦笑)、
暖かさと慈悲深さが滲み出る存在感が役にピタリとはまっている。
満島ひかり、宮崎あおい、松田龍平を始めとして、
単独でも主演を張れる若手実力派達もキッチリ良い演技。
子役も映画の雰囲気を崩さない演技だった。唄も抜群だしね。
あと、石橋蓮司や里見浩太朗といったベテランに混じって、
意外や福本清三が好演していたのが印象的。
(クリスマス会での表情、凄くステキだった)
厳格な自然風景も美しい。
荒々しい海と、穏やかに光射す海。こちらの芯まで冷え込むほどに吹き荒ぶ雪。
その中で、劇中の台詞そのままちっぽけに佇む人間たち。
深く深く降り積もった雪は、まるで主人公らの時間が
“あの事件”以来凍り付いたままである事を示すかのよう。
この物語の誰もが過去の自分を恥じ、雪に足を取られるかのように、
うまく身動きが取れないまま生きている。
その過去を溶かす、最後の暖かな唄声。
誰かが自分の事を心配してくれる。生きてて欲しいと言ってくれる。
それがどれだけの救いになるか。
人が前に進むには、人の優しさが必要なんよ。
打ちひしがれた者に、象牙の舟と銀の櫂を与える優しさが。
「俺は何を忘れてきたんだろうなあ」
忘れたくても忘れられない、謝りたくても謝れない、小さな頃の大きな後悔。
そんな記憶のひとつやふたつ、誰しも抱えているものじゃないかしら。
とうの昔に忘れた気でいたのに、時々ふっと顔を覗かせては心を苛む、そんな記憶。
これは、そんな後悔についての物語なのだと思う。
難点を言うなら、
随所の展開や設定がドラマチック過ぎて作り物っぽさが出てしまった点かな。
先生が来たその日に不倫相手の妻と口論になったり、
もうすぐ海外に発つ事になってたり。
一番違和感を感じたのは、仲村トオル演じる人物の設定。
突飛というか、この物語とは少し遊離してる気がした。
あと、森山未来の吃音の演技は少しやりすぎかな。
とはいえ、心暖まる秀作ミステリーです。
是非、劇場でご鑑賞を。
<2012/11/3鑑賞>
心がほっこりする映画
湊かなえさんが好きなので観にいきました。
原作とはまた違った面白さがあり、これはこれで楽しめました。
特に重要人物となる森山未來の演技が良かったですね。
あんなに感情表現をうまく表せる俳優さんっていないと思います。
ラストは感動的で、涙が出ました。
少しストーリーが微妙かな?と思いましたが、ラストで払拭されました。
旧友との再会って、いいですね。
涙ポロポロ
原作が湊かなえという点と、役者揃いなので見てみることに。
しんみりしたお話だけど、それぞれの人物の背景が徐々に分かっていき、最後まで見入った。
そして終わる頃には涙が止まらなくなっていた。
自分の琴線に触れまくりの映画で、久々の良作でした。
あまり事前情報を調べずに、各役者さんがどの子役の成長後かを知るのも楽しいと思う。
終盤が良い。
ある事がきっかけで、
クラスが強制終了してしまった先生と生徒。
20年間を要して人間として落ち着いた双方が再会。
”歌で結び付きを取り戻す”
感情ゆたかな終盤が良かった。
胸を打つ。
手堅い印象を抱くが、
支え合いの心強さが際立つ観賞後の余韻はあたたかい。
かつての先生と同級生に会いたくなる。
吉永先生と6人の若手教え子たち
北海道の離島に赴任して来た小学校教師のはる。
歌を通じて分校の6人の生徒と交流を深めるが、ある事故が起き、はるは島を去る。
20年後、教え子が犯した事件をきっかけに、はるは再び島を訪れ、教え子たちと再会する…。
事故や事件の真相が明らかになるサスペンスというより、湊かなえらしい人間の奥底の闇と哀しみを描いたヒューマン・ミステリーといった趣向。
吉永小百合は何を演じても吉永小百合で、どんな映画に出ても“吉永小百合映画”だが、今回は今をときめく若手俳優たちとの贅沢なアンサンブル映画になった。
ある悲しい事故で離れ離れになったはると生徒たち。
生徒たちは過去を引きずったまま成長し、歌を歌わなくなった。
事故には様々な喧嘩や誤解やすれ違いが交錯し、悲劇を生んだ。哀しき負の連鎖。
だが、再会した時、その哀しみを断ち切り、罪を犯した教え子を救い、カナリアたちはまた歌を歌う。
ラストの合唱シーンは、長い歳月が流れても深い絆で結ばれたはると生徒たちの姿、豪華な7人の顔ぶれで、感慨深いものがあった。
だけど…はるや生徒たち、それぞれのエピソードが語られ、話が分散してしまった印象は否めない。
はるの不倫のエピソードなど少々蛇足に感じてしまった。(無論、少なからず本筋に関わりあるエピソードなんだけど…)
何だか、一歩惜しい映画だった。
余談だが…
舞台挨拶に阪本順治監督が登場!
昨年4月に我が福島を訪れた事、吉永小百合の事、撮影中のエピソードなど語ってくれた。
スリムなジェントルマンでした。
どんなに辛いときも、みんなで歌った「かなりあ」がきっと支えになるはずだと思えたのです。
東映60周年に引っかけて、どうせ吉永小百合をよく見せるだけの企画だろうと、全く期待しないで試写会に参加しました。ところが、会場ではあちこちからすすり泣く声。吉永小百合の存在感を超越して、観客の誰もが原作の湊かなえが描き出す世界観にすっかりはまってしまい、深い感動を感じてしまったのです。今年一番の泣ける映画として特選しておきます。
長い女優人生のなかでも、吉永小百合主演のサスペンスは珍しいと思います。本作は主人公の元教員川島はるが抱えていたこころの秘密を、まるでサスペンスドラマのように、現在と過去を行き来しながら、明かしていきます。
舞台となるのは礼文島の岬の突端に立つ分校。目前にそびえる利尻島の利尻冨士を背景とした雄大な映像美は、それだけでこの物語をドラマアップしていました。はるが現役の教員だった頃の6人の生徒と触れあうシーンは、夏場の快活な風景に。そして、厳しい現実と立ち向かっていくことになる現在の映像は、厳寒期の荒涼とした雪景色に。この対比を見ていくと、これ一本が吉永小百合の女優人生を言い表しているような気がしました。
夏場の過去のシーンは、『青い山脈』に代表される青春映画に主演したころの作品とイメージが重なり、ました。そして厳冬期に描かれる現在のシーンは、『夢千代日記』など、最近の人生の荒波を渡っていく彼女の主演作品を彷彿させてくれました。でも序盤は斜めに見てしまったのです。けれども、はるの教員時代と老境を迎えた現在の約20年もの段差を、違和感なく演じてしまう小百合の爽やかな変身ぶり!この人はまだまだ現役の大女優なんだ!熟々感心させられたのです。
なので、世のサユリストの皆さまには、こころからお詫びしたいと思います。吉永小百合は、ミーハーに持ち上げられた存在だけでなく、その人気はしっかりした演技力とオーラに包まれていたことを、本作で再認識いたしました。
物語は、東京の図書館を定年退職したはるのもとに、刑事が訪れるところから始まります。刑事は分校で6人の教え子のうちの1人・鈴木信人が殺人事件を起こし指名手配となったことを、はるに告げます。
信人を信じたいはるは、確証を得るために北海道へと渡り、20年ぶりに教え子たちを訪ねて信人の身辺に起こった出来事を聞き出そうとします。その度ごとに、映像は20年前の出来事が再現されていくのでした。
当初のはるの描かれ方は、20年前に教え子たちの身の上に降りかかった出来事の案内役のような役割であり、信人の冤罪が晴らされていく展開かなと思ったら、違っていきました。
当時のことが明かされるごとに、次第に濃くなっていくのは、なぜはるが教師を辞めて、住民たちの白眼視に、追われるように島を立ち去ったかという謎です。
それは、はるの夫が事故死ししたとき、何処かで別な男と密会していたのではないかという不倫疑惑でマックスに達します。
さらに不思議なのは、教え子の誰もが、過去を振り返って、行夫が溺れ死んだ事故は、自分の責任だというのです。行夫の死は、はるだけでなく教え子のひとりひとりに、悔恨の傷跡を残していたのでした。けれども、教え子たちの証言が積み重なっていく中で、真相が見え始めて、それぞれの曇りは晴れていきます。
教え子たちのその後の人生にも、波乱万丈で、ちゃんと毒や喪失感を埋め込んでいるところが、さすが湊かなえ原作だなと感じました。
特に真奈美が親友の夫と不倫していることを告白するシーンは、衝撃的。そんな真奈美がはるの言葉に癒されてしまうのも、もしかしてはるが同類ゆえのものかと思えました。
同窓生の20年ぶりの再会は、恋も生まれたりで多彩に。やがて6人の打ち明け話が進むことにより、はるが封印してきたこころの秘密が見え始めます。
はるが疑われたのは、警察官だった阿部の存在。原作では郵送されてくる阿部からの手紙が一層ミステリアス役割を果たしているのでご一読を。
ふたりが出会ったのは、自殺しようとした阿部をはるが思い留めさせたためでした。阿部は犯人を取り逃がしただけでなく、追い詰めた結果、犠牲者まで出てしまい深い責任感で、生きる気力を無くしていたのです。出会って以来、はるは阿部が死なないように、ずっと寄りそっていたのでした。そんなはるの何事にも献身的な性格が、阿部を支える感情が不倫なのか、人間愛なのか教え子たちの証言でもにわかにはっきりしません。
結論は伏せます。ただはっきりしていることは、末期ガンに冒され余命幾ばくもない夫の行夫は、ふたりの親密さに気付いていたことです。そればかりか、自分の死後を阿部に託そうとまで考えていたのです。
溺死する寸前に行夫が放ったラストメッセージには、グッときましたね。最愛の夫の最期にそばにいなかったはるにとって、教え子から聞き出した行夫の最後のメッセージには、ただただ泣き崩れるしかありませんでした。なんという行夫の抱擁力の大きさなんでしょう!
ところで、原題は「二十年後の宿題」。何が宿題だったかというと、童謡「かなりあ」を課題曲として、授業でみんなで合唱することでした。教え子たちに歌の才能があることを気付いたはるは、赴任中ずっと教え子たちに合唱指導してきたのです。6人の歌声は素晴らしいハーモニーとなって、島の美しい風景とこだましあい、希望ある未来を描きだしていました。それは20年経っても変わらなかったのです。
あいにく「かなりあ」の合唱は、はるが突然島を去ってしまったので、宿題のままで終わってしまいました。そのことを一番気にしていたのが、逃げていた信人でした。信人が捕まったとき、刑事の恩情で、思い出の分校に立寄ることになります。
そこには、何とはると教え子たちが揃っていて、20年ぶりに宿題だった「かなりあ」をみんなで合唱するのです。感激して涙する信人には、思わずもらい泣きしてしまいました。
ずっと信人は、カナリアは何を忘れたか気になっていたとはるに告げます。それは、希望なのよと、はるは答えます。夫の真意に気付いたはるにとっても、歌を忘れたカナリアの意味は感慨深いものがあったでしょう。
それ以上に感動したのは、20年の歳月を超えて、歌でつながっている6人の教え子と恩師の絆の深さです。みんなこれからも様々な宿命を背負って生きていかなければならないでしょう。どんなに辛いときも、みんなで歌った「かなりあ」がきっと支えになるはずだと思えたのです。
本作では、主演の吉永小百合の熱演だけでなく、脇役も味わいある演技を披露しています。妻に対する複雑な思いと末期ガン悲壮感を説得力ある演技で見せ付けた柴田恭兵が良かったです。そして出演場面は少ないものの、キイマンとなる阿部の今にも死にそうな悲壮感を仲村トオルがうまく表現していました。包容力に満ちたはるの父親堀田久を演じた里見浩太朗も良かったと思います。
演出面では、教え子の20年後の配役と当時の子役の個性がちゃんと繋がっているところが素晴らしいです。
そして、一番感動したのは、名カメラマン木村大作による圧倒的な映像美です。海面が照らされて、部分的に輝く、はると阿部の出会うシーンには、ハッとさせられました。
久し振りの吉永さんは…
吉永小百合さんの美しさに、ただただ見惚れてしまった。
俳優陣も、しっかりしていて安心して見れた。
不倫相手とされる仲村トオルとのキスシーンには驚かされました!
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