「岩場でバーベキューはやめよう。」北のカナリアたち ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
岩場でバーベキューはやめよう。
湊かなえの原作は「原案」にとどまっている。うん、それならいい。
私は原作を読まずに今作を観たので、まさかこんな話を本当に
書いているのか!?と人気作家の評価を突き落としそうになった。
あの…特に設定・風景・キャスト、子供達の歌声には申し分ない。
それ以前に、もういい加減、吉永小百合には年相応の役どころを
やっていただいたらどうなんだろう。もちろん一本まるごとである。
いや、分かる…。タモリをはじめ、サユリストの皆さま方は、未だ
美しい彼女が、例え30代の役柄だって観たい!いいんだ!それで!
…っていう、ファン心理は確かに分からなくはない。だけど…。
私は前作で渡辺謙のお膝にのってしまった小百合さんに絶句したが、
うわ、何だよ、今回は仲村トオルなんだって?しかもラブシーン?
ない、それはない。絶対にムリ。だってビーバップ世代だよ~(泣)
誰かこの脚本(原作にはないらしい)を止める訳にはいかなかったか。
恭兵が夫…もキビシイかと思ったけど、彼とは6歳差だった。
そして父親役の助さん(古!)、里見浩太朗とは9歳差だって。
その中間地帯を演じられるあの美しさは確かに凄い。(よ!液晶女優)
でも…ムリなんだ、美しさは若さとは違う。落ち着き払った60代の
仕草で、無茶な行動に走るのは、どう見ても小百合さんくらいのもの。
誰も止めてくれないのなら、自分で降りる勇気が必要かもしれない。
さて。。
実はまだまだあるんだけど、とあるレビュアーさんの感想を読んでたら
噴き出してしまった^^;もうツッコンでたらキリがない凄い話なのである。
確かにミステリーの要素はある。先生が島を出た理由、そこに至るまで
何があったのか、生徒の証言で繋いでいく冒頭~は、まずまずだった。
しかし…とにかく恋愛を絡め始めたあたりからが、いけない。
口を利かなかった二人が恋に落ちる、まぁ唐突だが仕方ない。
実は大人になって私も不倫していたの!とばかりに、
会社に妻が乱入してくるシーンは、まったくもって、いただけない。
夫が動物虐待をしていた、バーベキューであの告白、さらに人命救助、
妻をトオルの元へ行かせる…っていう、まったく分からない行動模様。
子供達を伴った楽しいバーベキューの席で、あんなこと言うか普通…^^;
末期患者を看病する妻の苦悩は分かるとしても、どうしてあんなに
この物語ではみんなが恋に落ちてしまうんだろうか。寒いせいか?
追われる生徒役となった森山未來の演技は確かに巧かったけれど、
だからって北国育ちの男の子は、あんなに寒さに強いものなのか?
あの廃屋で一体どのくらい待っていられるというのだ。
あぁ~。なんかもう、面白いくらいツッコミたくなるからもうやめとく…
美しい景色、美しい歌声、美しい小百合様。
美しさ三拍子あれば、なにをやっても許されることの代表のような作品。
昔の吉永小百合作品を観たことがあるけれど、あれがホンモノの若さ(爆)
キムタクや松田聖子と同じで(ごめんなさいね、同じにしちゃって)
その看板を背負って生きねばならない国民的スターは、晩年になっても
そうやってろ、ってことなのかなぁ。でも女優は違うと思うんだよなぁ。
あのヒト何やってもコレだよ。なんて言われない演技を魅せて欲しいもの。
(誰かが方向性を変えてあげるべきなのか。今から挑戦、液晶アクオス)