「吉永先生と6人の若手教え子たち」北のカナリアたち 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
吉永先生と6人の若手教え子たち
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北海道の離島に赴任して来た小学校教師のはる。
歌を通じて分校の6人の生徒と交流を深めるが、ある事故が起き、はるは島を去る。
20年後、教え子が犯した事件をきっかけに、はるは再び島を訪れ、教え子たちと再会する…。
事故や事件の真相が明らかになるサスペンスというより、湊かなえらしい人間の奥底の闇と哀しみを描いたヒューマン・ミステリーといった趣向。
吉永小百合は何を演じても吉永小百合で、どんな映画に出ても“吉永小百合映画”だが、今回は今をときめく若手俳優たちとの贅沢なアンサンブル映画になった。
ある悲しい事故で離れ離れになったはると生徒たち。
生徒たちは過去を引きずったまま成長し、歌を歌わなくなった。
事故には様々な喧嘩や誤解やすれ違いが交錯し、悲劇を生んだ。哀しき負の連鎖。
だが、再会した時、その哀しみを断ち切り、罪を犯した教え子を救い、カナリアたちはまた歌を歌う。
ラストの合唱シーンは、長い歳月が流れても深い絆で結ばれたはると生徒たちの姿、豪華な7人の顔ぶれで、感慨深いものがあった。
だけど…はるや生徒たち、それぞれのエピソードが語られ、話が分散してしまった印象は否めない。
はるの不倫のエピソードなど少々蛇足に感じてしまった。(無論、少なからず本筋に関わりあるエピソードなんだけど…)
何だか、一歩惜しい映画だった。
余談だが…
舞台挨拶に阪本順治監督が登場!
昨年4月に我が福島を訪れた事、吉永小百合の事、撮影中のエピソードなど語ってくれた。
スリムなジェントルマンでした。
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