「吉永小百合の最高傑作の映画だと思います 彼女の長いキャリアの中でも、その主演映画で一番上出来の映画だと思います」北のカナリアたち あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
吉永小百合の最高傑作の映画だと思います 彼女の長いキャリアの中でも、その主演映画で一番上出来の映画だと思います
吉永小百合67歳
図書館の司書を定年退職するシーンがありますから、役は60歳ということになります
回想シーンは20年前だから40歳の設定
67歳なのに40歳に見えるのだからすごいものです
昔の40歳はこんなもんです
脚本が大変にすぐれています
まず冒頭でなぜあのように悲しげに石を投げられて一人寂しく島を去るのかの疑問を提示して、殺人事件の容疑者として追われる教え子の動機の追跡が、いつしか主人公の過去の謎を解くことの方に重点が移っていく構成が上手いです
雪の冬、子供達が歌う明るい陽光の春、燃える熱情の夏
シーンの意味と季節の連動が明快です
最後にはすべての謎も、全ての登場人物のわだかまりも春を迎えた雪のようちに溶けていくのです
子供達の合唱シーン、終盤の合唱シーン
あざとくてもこれで良いのです
感動しました
これでこそ映画です
また6人の元生徒達のそれぞれの20年後の大人になった現在も要領よく説明しています
例えば小池栄子の演じる稚内の溶接工の不倫の現状と心境の吐露を、あざとくても修羅場をあえてわざとぶつけることで、ものの5分程度で片付けてみせてます
主人公の性格と小学校の先生という役の設定が、吉永小百合の持つ雰囲気にぴったりとあっているのです
彼女の演技が役にとてもマッチしており、ごく若い時をのぞけば一番自然な演技であり成功していると思います
自分は吉永小百合の最高傑作の映画だと思います
彼女の長いキャリアの中でも、その主演映画で一番上出来の映画だと思います
カメラもさすが木村大作だ!と感嘆する美しい映像が撮れています
彼の気合いの入り方が違うことがよくわかります
本気を出すとここまで凄いんです
礼文島の南端に分校のセットが保存されて観光施設になっているそうです
遠い遠い最果ての島ですが一度訪れてみたいものです