劇場公開日 2012年11月17日

「私にとってのエヴァ」ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q tochiroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0私にとってのエヴァ

2012年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

 私にとってエヴァンゲリヲンとは、永遠に完成しないジグソーパズルのような存在だ。
 一つ一つのピースは見たこともないような形や絵柄、色をしており、「これが完成したらどんな素晴らしい“絵”が見られるのだろう」と期待を込めて観て行くと、最後にそれらのピースは一つの作品に収斂しないことが分かる。無理に収斂させても個々のピースから予想(期待)した“絵”とはかけ離れたものになってしまう。
 そんな事を経験する内に、スタッフには失礼だと思うが、全体の形を考えるのは止めて、個々のピースだけを楽しむようになってしまった。
 そんな目で観ると、今回の作品も私には十分「あり」である。何よりアスカとマリの頑張り具合がいい。またヴンダーを軸にした戦闘シーンも眼を楽しませてくれる。自分が原因になって多くの犠牲を出したことを自覚せず、父親に正面から反抗することもできず、変形したマザコンのように綾波レイを追い求めるシンジにはもううんざりで、思わずアスカを応援してしまう。
 人類の大半が死亡した(と思われる)後で、誰(どこ)がミサト達のスポンサーになっているのか不明だし(構成部隊からみると、各国政府の最終残存勢力のように見えるが)、ゼーレがいつの間にか「人類ではない存在」みたいになっているし、相変わらず説明不足を引きずりながら突き進んでいる。次作(最終編)がいつ完成し、どのような内容になるかは分からないが、「序」から「Q」をうまく収斂した形にはならないかも知れない。
 それでも別に構わない。無理して全体を理解しようなどとは思わず、自分に理解できる部分だけを取り出して楽しむ。私にとってエヴァとはそういうものなのである。

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tochiro