「どうしても「パンズ・ラビリンス」と比べてしまう」ダーク・フェアリー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
どうしても「パンズ・ラビリンス」と比べてしまう
1973年のTV映画「地下室の魔物」を、ギレルモ・デル・トロの脚本とプロデュースでリメイクしたファンタジー・ホラー。
両親が離婚し、父アレックスと父の恋人キムと共に郊外の屋敷に引っ越して来た少女サリー。ある日サリーは地下室を見つけ、得体の知れない魔物を呼び起こしてしまう…。
歯の妖精トゥース・フェアリーが題材…なのだが、日本人にとっては馴染み薄い。
先日見たドリームワークス製CGアニメ「ガーディアンズ 伝説の勇者たち」では善の妖精として登場していたのに、本作では魔物。いい妖精なのか恐ろしい妖精なのかもイマイチ分からず。(誰か教えて〜!(笑))
デザインはなかなか。本当に恐ろしい妖精が居たらこんな感じかなとさえ思う。
“少女”と“地下室”と“魔物”…。
うっすらデル・トロの最高傑作「パンズ・ラビリンス」を彷彿させる。
ただ、「パンズ・ラビリンス」と決定的に違うのは、少女の背景。
「パンズ・ラビリンス」のオフェリアは母の病気と独裁的な母の再婚相手に押し潰されそうな悲しみを背負っている。
それに対し本作のサリーは、両親の離婚と父の恋人への不満から勝手に不幸を背負い込んでいる。
それが多感な少女にとってどれほどの心の傷になるか分からないでもないが、「パンズ・ラビリンス」と比べるとどうしても深みに欠ける。
雰囲気も悪くない。ハッピーエンドではないラストもいい。
それだけに…後一歩惜しい作品。
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