「サブプライム不況と精神破壊」テイク・シェルター kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
サブプライム不況と精神破壊
薬代とかビーチの宿泊料が高すぎ!けっこう金額にまつわるエピソードがありまして、精神科にかかる費用やら、娘ハンナの内耳治療費とか、もう面倒見きれませんってくらい高いです。そんな中でもシェルターを作り続けるカーティス。会社の重機を無断借用したりして、結局はクビになってしまう。ここまで来たら、もう嵐が来ることを祈るしかない!
カーティスの母親も30代で精神疾患に罹り、それ以降ずっと施設で暮らしているといった状態。悪夢を見始めてからというもの、飼い犬に咬まれたり、事故を起こしたり、不審者が現れたりと悪夢の連続。ついにはオネショまでしてしまう。雷なんて晴れてる日でも見えるし、聴こえちゃう・・・妄想的統合失調症?と医師は言うけど、妄想よりも悪夢の方が怖い。
ノアの箱舟ですか!ってくらい、取り憑かれたようにシェルターを作る。金なんて持ってたって仕方がない。犬は兄貴にあげちゃうし、あとは1週間分の食料があればいい・・・予言者のような狂気をも見せるカーティス。娘の手術費用だって、命があればこそなんだし、後回し・・・いいのか?
2009年にはエメリッヒの『2012』なんてのも公開されたし、世紀末やら不況が続くと、こうした妄言的ディザスター・ムービーも増えるような気がする。何かと不安を感じる人々の心の表れか、結局はこうして精神もやられてしまうのか。科学的根拠のないようなディザスターにはうんざりするものですが、この作品のメインは精神的なもの。さすがにラストのシーンには皮肉めいたものが感じられたが・・・どうなっちゃうんでしょ?
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