「ガイアの遺言」灼熱の魂 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
ガイアの遺言
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全くの初鑑賞でした。レバノン内戦をモデル・背景とした、ヒューマン・サスペンスドラマ。これは衝撃的でした。色んな意味で、もの凄い濃度。
ギリシャ神話で言うと、ガイアとウーラノス。神話の中では男女6人づつの子を産みますが、ここでは男女の双子。各々に、「父親と兄を探し出して手紙を渡せ」との、後に冷酷と判明する遺言が残されると言う。なぜ、そんな遺言を残したのか。
知らない方が良いこともある。
ってのを、一般社会的な立場からの進言だと思う訳で。1+1=1であることを、弟は調査の途中段階で推測し始めます。それは、明らかになって来た父親の身元情報からでは無く、なぜ、あの母が、こんな遺言を遺したのか?に対する疑問から。
結局、「ガイヤ」である母は、息子への愛と、双子の父親への期待=一緒に居ることが大事、の言葉を手紙に残していました。
神話のガイアは、天をも内包した世界そのものであった。その世界の中で、憎しみも恨みも、愛も全てを飲み込んで生きて行けと言う。それが、母の遺言。
宗教戦争の残虐性を、ナワルの生活を通して生々しい描写で見せながら、双子の出生の秘密に迫っていくというミステリーの建付けは、最高にドキドキした。
良かった。
とっても。
ヴィルヌーヴはプリズナーズ以降しか知りませんでした。
これは凄いです。文句のつけようのないくらい。
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