「焦土の果ての許しを。」灼熱の魂 Birdさんの映画レビュー(感想・評価)
焦土の果ての許しを。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の名前を初めて知った作品です。
タイトルは仏語で「焦土」の意とか。
母亡き後、残された子供たちが、母の伝えられなかった過去を知る話というと
「マディソン郡の橋」を思い出しますが、こちらはかなり深刻な内容です。
戯曲の映画化だそうで、母の過去と、子供たちが母の祖国に渡って
母の過去を知る過程、そして自分たちの父と兄を探す過程とが
同時進行的に進んでいく様子はあまりにも衝撃的です。
子供たちには、己の生を肯定して欲しかったようですが、
焦土と化した地から生を生み出した母自身にこそ
その人生の賛歌が与えられるべきでは、と感じました。
つい、移民の人々の存在を忘れがちになりますが、
黙して語らない人々のことを知るのは大切だと思わされる作品です。
大変辛い内容なので、もう一度観るのは躊躇われますが、
とてもいい作品なので、興味のある方は是非。
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