「ビシーっと決まる、しお味作品。」ポテチ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ビシーっと決まる、しお味作品。
原作、監督、キャスト、音楽、上映時間。
すべてがビシーっと決まる映画はそうそうないのだけれど、
やってくれましたね~これは^^;
いやまぁ、おそらくビシーっとくるだろうとは思いながら、
ここまでビシーっと決めてくれるとうれしくなってしまうv
伊坂作品が大好きなので、しかも中村監督とくればねぇ!
いわゆる短編、たった一本でも作品になるんだという好例。
とってつけたように群像劇や、オムニバスにする必要なし。
それぞれの相性が重要というのは大前提として、
観る者に伝わるテーマや感動というのは単純が一番である。
…ポテチ?
はて、何が言いたい作品なんだろうかと^^;初めは戸惑う。
そのポテチは、物語の後半、車の中で登場する。
間違えて食べてしまった、コンソメ味としお味のポテチを、
彼女がスッと取り替えたり、取り戻したりする。その工程。
ん…?なんだろう。と思う。彼がワンワン泣きはじめる…。
エ?何、どしたの?突然。
原作を知っている人や、なんとなく予想がついていた人なら、
ここで「あ~」と気付くのだけど、まぁここで「何よ?」となっても
ラストで、、、絶対に泣ける!と思う…(心の中でもね)
主人公の濱田岳曰く、嬉しそうに?ただ嬉しそうに、叫ぶ!?
そんなシーンだったそうだ。
だけど、叫んでいるうちに涙がポロポロ…出ちゃったらしい。
そりゃ、そうだよ。彼のあの演技にすべてが詰っているもの。
自分と同じ生年月日の野球選手のことが、気になる主人公。
よっぽどのファンなのか?、彼の部屋に空き巣(!)に入っても、
その日の試合を見ている始末(爆)
初めからよく分からないのは、なんでこの子が空き巣なんか!?
というその職業なのだが…今作で重要なのはどうもそこではなく、
彼=今村君の性格と、天然混じりに学力が浅いところか^^;
空き巣に入った先で自殺志願の女の子を助け(それが今の彼女)
しっかり同業に誘って、しかも監督自身が親分(専務)役で登場。
一応ミステリー?が入っているので、詳しくは明かせないが、
冒頭からの流れ(謎)が、ビシーっと繋がって終わるところが最高。
最後の最後まで(もうエンドの音楽まで)凝りに凝ってていいトコ
尽くし。いいぞ斎藤和義~♪この長さで、この感動と爽やかさ。
ポテチを食べてうめぇ~vと唸り、喉を緑茶で潤した清涼感。
その職業には首をかしげても?
その人間性が、他人を助けては助けられる幸運に繋がっている。
何よりもその性格を、これまたビシーっと言い当てた若葉さんの、
今村君を想う気持ちにも泣けたしなぁ。黒澤の行動力にもね~。
で、尾崎選手はどうなのかしら^^;(阿部亮平の寡黙な姿に驚き)
ビシーっと活躍して欲しいですねぇ。今後に期待したいところ。
(またもや息子愛に泣けてしまった。涙がしお味でしょっぱいわ)