「平和で呑気な日常と、根本的な闇。でも闇は日常を覆さない」ポテチ Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
平和で呑気な日常と、根本的な闇。でも闇は日常を覆さない
空き巣を生業とする今村は、元高校球児で今はプロ野球一軍控え選手の岡崎にものすごい肩入れしている。
側から見ると「どうしてそこまで?」という入れ込みっぷりの裏には、今村が久々に受けた健康診断で気付いてしまった大きな秘密が隠されていた。
まず、短い!
68分というこの短時間すごくいい。
全てをくまなく詰め込んで一つも排除しない映画も見応えあって面白いけど、こんなふうに凝縮して大切な要素だけ絞りとった作品は見ていて疲れないし、疾走感があって気持ちがいい。
伊坂幸太郎のこういう感じ、好きだったなぁ〜。
最近はめっきり読まなくなってしまった。
「主人公の職業が一風変わっている」
「支離滅裂な(と同時に実は布石となるのであろう)会話」
「平凡な主人公がひょんなことから非日常にズブズブとのめり込んで抜け出せなくなっていく」
とか、そういうある程度お決まりのファンタジー感と、あの独特の世界観がどうも・・・。
入り込めればいいんだけど、そうならずに最後まで読んじゃうと、ラストに控えた種明かしとそこまでに散りばめられた布石の数々を、慌てて拾い集めて理解して、「ほっこりした」「忘れていた大切なもの」「感動した」みたいなことを言わなければいけないような。
このくらいの短編映画なら深く考えずサクッと観られるし、結末次第では、拾い忘れたヒントを探しにもう一回見ればいいから良いな。
ってさっきから時間のことしか書いてないな。
全然内容とかと関係ないんだけど、最近は本を読むということ自体ほとんどしなくなった。
読むのに時間がかかるから、それ相応の手応えを求めてしまう。
そうすると勝手に期待値とハードルが上がり、結果がっかりすることが多くなった所以だと思う。
さらに、一度「この作家は面白い」と思うとその人の作品ばかり読むようになる傾向がある(伊坂さんもそうだし、角田光代とか湊かなえとか森博嗣とか村上春樹とか)から、それで作風に飽きてしまう場合も。
単行本は買わないと決めているので、新刊が出て「これ読みたい」と思っても文庫が出る頃にはスッカリ忘れてる、っていうのもあるある。
今は羽田圭介「スクラップアンドビルド」が読みたい。
作品は読んだことないけど、羽田さんという人間が面白すぎて、テレビに出る情報を入手すると欠かさず録画してる。
単行本でも買っちゃおうか・・・いつも悩むところ。