劇場公開日 2011年11月5日

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家族の庭 : 映画評論・批評

2011年11月1日更新

2011年11月5日より銀座テアトルシネマほかにてロードショー

さらに冷徹になったマイク・リーの視点

中心にいるのは安定した生活を送る初老の夫婦なのに、居心地良さそうな彼らの家を訪れるのは不安定で危なっかしい人たちだ。この両極にある登場人物の構成に、人間を見るマイク・リーのシビアな眼を感じる。

妻ジェリーの同僚メアリーも、夫トムの幼なじみケンも、上手く人とコミュニケートできず、いまだにシングル。相手がいない寂しさにグチをこぼして酒を飲むケン。なぜ男運が悪いのかと嘆いてやっぱり酒を飲むメアリー。いい年をして自分をコントロールできない二人のダメさ加減が情け容赦なくさらされるので、同情するより先にうんざりしてしまう。社会にも自分の家族にもコミットできないトムの兄や、反抗的なその息子も出てくる。

こんな破綻した人たちとトム夫婦のつき合いをマイク・リーはクスクス笑いも混ぜてたんたんと描くだけ。なぜ惨めな人生になったのかと絵解きもしないし、かといって新しい生活に送り出してやるわけでもない。トム夫婦は、彼らが来るのは拒まないが、彼らの悩みは決して引き受けないのだ。自分の人生は自分でどうにかしなさいとばかりに突き放す。友情のない世間づき合いのクールさをどう受け止めればいいのか。人生の伴侶がいないとこんなにみじめだよという警告なのか。ダメ人間たちよりも、主人公夫婦のクールさの方が気になった。見る人によって反応が分かれる映画だと思う。

(森山京子)

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