天皇ごっこ 見沢知廉・たった一人の革命のレビュー・感想・評価
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ドキュメンタリーは何処までその人の真実を描けるのだろうか?
不覚にも途中少し寝てしまいました!
この手のドキュメンタリーは、バストアップで、固定したままの状態で何分ものインタビューを続けて数人分繰り返して見せてゆくと言うタイプのものは、自然と睡魔を呼んでしまうように思えて、編集の工夫をもっと多数入れて制作していたら寝ないでいたかもしれないと、とても残念な気持ちで一杯になるのだった。
特に寝不足でバッドコンディションと言う状態では決して無かったし、この映画で語られる、見沢知廉と言う人物に興味が待てなかったと言うのともちがうのだ!
むしろ、私は見沢知廉氏の存在を殆んど何も知らなかったのだが、彼が1959年生れと言う世代でありながら、それにも関わらず、活動家としてその生涯を生きようとし、新左翼、右翼とも交流を持ち、そのどちらにも思想家としてのめり込んで生きて行く彼のその様を知り、彼の内面を想像すると、その先に彼が見ていた筈の日本とは、一体どんな姿の日本だろうか?
この日本と言う国をどう変革し、日本の国をどう再生させようと夢を抱いていた人物なのか、とても興味を抱きながら観ていたのだが、インタビュー映像は室内撮影で色彩も暗目の物が多数だし、途中インサート映像も少ないし、音楽の是と言ってインパクトの有るものが使用される事も無く、変化の少ない極々普通のドキュメンタリー仕法で話しを進めて行く事自体が残念でならなかった。
私はこのような学生運動が盛んに行われていた時代の事は、当時未だ幼い子供であった為に殆んど記憶にないし、この学生運動が盛んで大学が閉鎖されていた頃の、当時の学生世代の人達は、いわゆる俗に団塊世代と言われているその年代生れの人達の特別な世代的な時代背景の現象に限った出来事であり、その時代から外れて誕生している見沢知廉氏などがどうして、この様な生き方を選択していかなければならなくなったのか不思議で、その点で興味が惹かれたし、彼の遺した著作の「天皇ごっこ」と言う本も未読ではあるものの、発売当時ベストセラーだった事は記憶の片隅にいくらか残っていた。
今年公開された『マイバックページ』の映画に描かれる様な本当に特別な世界の瞬間的な出来事なのだと思っていた。
ある種の理想を信じて、その理想に向かって活動を進めて生きると言う活動家としての生き方を私は選んで進む人々の生き方について否定も肯定もする事は出来ない。
日本と言う国は宗教、思想の自由が憲法でも認められている法治国家なのだから、一人一人の生き方の多様性が認められて、生きていかれることが出来る日本に生きる事は幸せな事だと思っている。しかし法治国家である社会で、思想の違いによる内ゲバと言う殺人が起こってしまう現象を私は理解する事は出来ない。
もし、暴力で歴史が行われてゆくとするならば、その先にあるものは現状を超える良い世界へと変化するものとは言えない気がするからだ。
もし、2005年に亡くなった見沢知廉氏が、今の日本を見たら何と評価するのだろう?
獄中の息子に1日置きに手紙を認め続けた母の愛の強さこそ誠の様に思うのだ。いつの時代も命をこの世に送り出す母と言う人間ほど強い存在はいないと思う。そんな子供を持つ母たちが安心して暮らせる世界がこの、地球のどこの国でも共通に存在する社会になれば
きっとこの惑星は平和で暮し良いのかも知れないとこの映画を見て感じた!
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