「ウシジマの過去が見てみたい。」闇金ウシジマくん ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ウシジマの過去が見てみたい。
コミックも深夜ドラマもぜんぜん知らなかったのだが、
劇場に試し読み冊子があったので、もらって読んでみた。
うーん…どうかなぁ(この絵面)と思いながら観てみたが、
なかなか面白かった。内容は全く面白いわけではないが、
出てくる面々がやらかすことにやたら含蓄があるというか。。
楽して儲かることはないし、借りたら倍返しは当たり前。
人生、金がすべて。とはいわないが、
そういう生き方をしてきた人間には、なにかと問題が生じ、
一発大穴を狙った暁には、玉砕することの方が多いと思う。
そもそもどうして闇金なんていう違法な金貸しが横行するか、
そりゃ借りる側がゴマンといるからなワケでしょ…。
真っ当にせこせこ働いて、借金返してたんじゃ間に合わない、
何しろそういう御方が言う台詞には、お金を泳がせるような
言い回ししか出てこない。むかーし、知人にこう言われた。
「貴方はお金に困ったことがないから私の気持ちが分からない」
そーだよ、分かってたまるかこのバカたれが!私はアンタが
バンバン注ぎ込んで遊んでいる間、せこせこ働いてケチケチと
貯金してきたんだもの。。きたるべき自分の将来のためにね。
金がない、金がない、と喚く人間の生き方には一貫性がある。
たかがお金。と思っているから、そうやって痛い目に合うのだ。
…さておき。
母親のパチンコの借金で、娘が闇金に追われるのは悲惨だが、
しかしここでこの娘が、あ~私はこの生き方じゃダメなんだ。と
気付いて自分は真っ当な生き方ができれば(せこくて当然よ)
これからの人生、決して(明るくはなくても)暗くはならない。
出会いカフェで簡単に金を稼ぐことを覚えてしまえば、
そのうちズルズルとどうでもいいことに自分を売ってしまうハメに
なるのだ。大島優子に(ほぼ無言で)それを突きつけて教えたのは
何を隠そう、ウシジマなわけなのね。
そしてその幼なじみのジュン(林遣都)の資金荒稼ぎも綱渡り的。
とにかく有名になりたい一心で(無いのに)金を注ぎ込んでしまう、
冒頭でほぼ彼のやり方がヤバいことを見抜いた奴も(同じ穴の…)
結局は金に踊らされ、泳がされているだけで、やはり痛い目に遭う。
ウシジマの立場って何なんだろう。助けてるのか?一応は…
のちに返せないのが分かっていても貸すというこちら側の危うさ。
どうでもいいから、誰か早く真っ当に働け!!と言いたくなった。
大島優子はさておき(良いとも悪いとも…)
林遣都。彼はこういう情けない役も、巧くなったなぁ~と感心。
しかしあのあと、どうなったんだろうね、彼^^;
山田孝之は絶品の巧さ(爆)
ナンなの、あの佇まいは…と思うほどサラッと無表情なのがいい。
真夏の炎天下の撮影で、涼しい表情をキープするため、一滴も汗を
かかないように練習を積んだのだそうだ。なんて涙ぐましい^^;
片田舎で、時給700円台で働いて、それでも平和な心身を保って、
クソみたいな世の中で頑張っている若者だっているのよ、やべ君^^;
人生を金に換算してちゃ、いつまでも幸せにはなれないのだ。
(エンドクレジットでやたら闇金の違法性について語る部分が笑える)