劇場公開日 2012年3月24日

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マリリン 7日間の恋 : インタビュー

2012年3月20日更新
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ミシェル・ウィリアムズ、YouTubeでマリリン・モンローを猛リサーチ

官能的なプロポーションとささやくような声色で、20世紀最大のセックス・シンボルとなった女優マリリン・モンロー。1956年、ローレンス・オリビエ監督兼共演の「王子と踊り子」に出演するためイギリスに渡った30歳のモンローは、そこで第3助監督だった23歳のコリン・クラークと思いがけぬ恋に落ちた。新作「マリリン 7日間の恋」は、大スターで人妻だったモンローと駆け出しの青年クラークの、はかなくも美しいロマンスを描いている。(取材・文/本間綾香、写真/本城典子)

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「どうやって演じればいいのか、私にその実力があるのかも分からなかった。でも、脚本を読んだその夜に直感で、この役を演じなくてはと思ったの」と語る女優ミシェル・ウィリアムズ。「でもそれから10カ月、悩む日々が続いたのよ。“私ったら、なんて大それたことを決めてしまったのかしら”って」と振り返るが、新作「マリリン 7日間の恋」でハリウッドのアイコン、マリリン・モンローに扮したウィリアムズは、ゴールデン・グローブ賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞したほか、アカデミー賞主演女優賞をはじめとする数々の賞にノミネートされた。

「マリリンが出演した映画はもちろん、本もたくさん読んだし、素顔の彼女を知っている人にも会うことができた。彼らが話してくれたマリリンについての思い出話は、これ以上ないほど役立ったわ。加えて、YouTubeですべてのインタビューをチェックしたの。夜眠るときは夢に出てきてほしいとさえ願うほど、彼女のことばかり考えていたわ。YouTubeってほんとに便利よね。かわいい子猫とか、マイケル・ジャクソンの『スリラー』を囚人が踊る映像とか、いろんなビデオがアップされていて。女優にとってもいまや欠かせないツールよ(笑)」

映画は、「王子と踊り子」で実際に使われていたスタジオ、そしてモンローが宿泊していたパークサイドハウスで撮影された。ウィリアムズは、当時のモンローと同じメイク部屋を使うことができたそうだ。かつてモンローが呼吸していた空間に身を浸すことで、彼女の存在が近くに感じられ、この役を引き受けてよかった、正しい選択をしたんだと思えたという。

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「自分とマリリンとの接点をどこかに見出そうと、祈るような気持ちだったの。私たちは育ってきた環境がまるで違う。彼女はとても悲しい生い立ちの人よ。生まれてすぐに孤児院に送られて、父親が誰かも知ることなく、世界とのつがなりや自尊心を育むことができなかった。彼女は代わりに他人から自信を得ようとしたの。でもそれは長く続かない。なぜなら他人は去っていくものだから。でも私は幸いなことに家族がいて、気心の知れた古くからの友人がいる。彼女より安定した生活を送ってきたと思うわ」

劇中では、「王子と踊り子」の監督でモンローの相手役であるローレンス・オリビエやスタッフらが、人気絶頂のモンローによる奔放な言動に振り回される様子が、ときにコミカルにつづられる。メソッド演技に傾倒するモンローを小馬鹿にしながらも、彼女の魅力にあらがうことができないオリビエ役に扮したのは、オリビエ同様に監督・俳優として活躍するベテラン、ケネス・ブラナー。この演技でブラナーは、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。

「マリリンと仕事をする人たちのストレスといったら、それはもう我慢の連続だったはずよ。20テイク撮り直して、それでもセリフが覚えられなかったり。でも、自分の精神状態や役柄への感情移入といったすべての条件がうまく合致すると、他の人を圧倒するような演技を見せるの。ケネスと私が共演するシーンは、実はほんの少ししかなかったんだけど、完成した作品を見てケネスのパフォーマンスに魅了されたわ。ローレンスのいらだちやエゴイスティックな表情を見るたびに笑っちゃって、自分が出ていることも忘れて、一人の観客として見入ってしまったの」

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全力を傾けたこのモンロー役が絶賛され、さまざまな授賞式に招待されたウィリアムズ。レッドカーペットに立つその横には、親友ビジー・フィリップスの姿がたびたび見られた。フィリップスは、ドラマ「フリークス学園」やウィリアムズがブレイクするきっかけとなったドラマ「ドーソンズ・クリーク」などに出演した女優で、ウィリアムズと故ヒース・レジャーの間に生まれた娘マチルダちゃんの後見人でもある。

「『フリークス学園』は最高よね。あんなに面白いコメディドラマないわ。彼女とは『ドーソンズ・クリーク』以来、親友なの。彼女はロサンゼルス、私はニューヨークに住んでいて、なかなか頻繁に会うことができないから、私がロスで授賞式に出席するときは真っ先に彼女に連絡して、なるべく会うようにしていたのよ。女の子の親友がいるって、ボーイフレンドがいるよりずっとステキことだと思わない(笑)? 何でも話せるし、一緒にいるといろんなことがとても楽しく感じられる。この業界で彼女のような親友を得ることができて、とても幸運だと思っているわ」

ウィリアムズは、いつもマチルダちゃんが寝た後に脚本に集中する。夜の7時半から10時半はとっても貴重な時間なのだとか。女優業と育児の両立はとてもハードだと語り、「授賞式でメリル・ストリープに会うたびに尋ねたわ。“あなたみたいな素晴らしい仕事をしながら、どうやってあんないい子どもたちを育てたの?”って。何度も聞きすぎて、彼女にうんざりされているはずよ」と笑う。「撮影のときは、娘を連れてロケに行くの。その土地で家や学校の手配をするんだけど、そこまでするからには私の仕事にそれだけの意味が必要なのよ。娘がもう少し大人になったときに、それを彼女にちゃんと説明できる自信がなければ、目の前の役柄を演じることはできないわ」

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