劇場公開日 2012年4月7日

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「精神疾患のある方は覚悟した方がいい」KOTOKO ぴかさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0精神疾患のある方は覚悟した方がいい

2023年9月18日
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泣ける

怖い

暇つぶしに楽に見れる映画はないかとHuluを眺めていたら「Kotoko」という可愛い名前の映画を発見。
coccoさんのことも、それまでの彼女の作品も知らずに鑑賞し、気軽にこの映画に手を出したことを後悔しました。

2つの世界が見えているというキャプションやホラー映画に分類されていることから、「ブラック・スワン」のようだけど、名前も作品紹介の画像も可愛いので、そこまで怖くはないだろうと思っていたら、それ以上の衝撃がありました。

精神疾患や心が不安定な状態にある人は、注意して見たほうがいいです。家族が近くにいる状態で見ることをおすすめします。

私は以前、精神科にかかるように夫に言われて通院してた時期がありました。
学生時代は人から悪口を言われている気がしたり、みんなは全員私が嫌いだろうという思い込みがあったりでずっと1人で行動していました。
中学から大学までの多くの時間を1人で過ごしました。
それがこの映画を見てフラッシュバックしました。
学生時代に感じていた感情がそのまま襲ってくる感じです。
「ブラック・スワン」は普通に観られましたが、この映画では涙が止まらず過呼吸に。

人が全員私に敵意を持っていて、私など死ねばいいと思っているに違いないという考えは学生時代から今に至るまでずっと頭にあります。
すれ違う人全員が怖くて、私の顔を評価して内心嘲笑ったり馬鹿にしたりしていると感じます。
もうこれ以上続けたくない、怖い、死にたい、そういう気持ちが止まらなくなるんです。
でも、実際に関わってみるとびっくりするほど親切な人もいて、自分の被害妄想に呆れることもあります。
この映画は、私のそういう気持ちや感じている世界を、表現してくれているとさえ感じました。

今は働いていないので学生時代ほどはストレスを感じずに生活できていますが、外出する際のストレスは今でもとても重いです。
人間全員が怖いので、道を歩く人や飲食店で隣りに座った人の顔を見ずにはいられません。
私が見ていることに気づかれると、相手から凝視し続けられたり、連れと悪口を言われたりします。
だけどそれすら、夫は幻覚や幻聴だと言い、信じてくれません。

精神の不安定な怖さだけではなく、人体破壊の描写があるので、この映画をオオスメできる人は限られると思いますが、私は見てよかったと思いました。
ただ、本当に精神がすり減りました。

関係ありませんが、数年前に薬物療法を医師に相談なく無断で中断してしまったのですが、統合失調症の疑いが出てきたのでまた通院を再開しようかなと、この映画をみて思いました。

ぴか