ウルトラマンサーガのレビュー・感想・評価
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どんな時にも希望は必要だ。
ウルトラマン・シリーズ45周年記念作品第2弾。
TSUBURAYA IMAGINATIONで2回目の鑑賞。
一連のウルトラマンゼロ・シリーズの続編であり、「ウルトラマンダイナ」や「ウルトラマンコスモス」のその後も描くと云うてんこ盛りの作品でした。ダイナとコスモスはリアルタイムで観ていたので、かなり熱かったです。
斬新なのはゼロが一体化したタイガ・ノゾムがウルトラマンになることを拒否し続けると云う点。幼少期のトラウマが関係しており、ヒーローを若干否定する立場でした。
最終的にどんな時も希望は必要であると云う帰結へ向かいましたが、本作公開の前年に発生した東日本大震災を踏まえての作劇と思われ、非常に感動させられました。
新しい形のウルトラ映画
ダイナ、コスモスなど世代なら嬉しいキャラにニューヒーローのゼロを交えた映画。
ストーリーは完全に勧善懲悪モノで子供に向けたものになっていた。
しかし今回の映画でフィーチャーされたのが人間の目線から見たウルトラマンや怪獣たち。
もちろんカメラワークもそうだが今回の映画でこれまでと決定的に違うのがタイガの幼少期の描写。
怪獣が街を襲い、その中で必死に両親の名前をを叫ぶタイガがとても印象的だった。
タッチは軽いがかなりヘビーな描写。
そのあとに「ウルトラマン早く来て!」と助けを求めるタイガの姿に思わず涙がこみ上げてきた。
いつかの映画で初代ウルトラマンが言っていた「私達は神ではない、救える命もあるがそうでない命もある」という言葉の重みがクローズアップされたシーンに思われた。
DAIGOをミスキャストと言う人も多いが自分としては適役だったと思う。
ウルトラマンに頼りたくない、トラウマになっている青年をうまく演じていたと思う。
誰かを守るということ
本作は、とにかく「誰かを守る」というテーマが全面に押し出されています。
大人が子供達を守り、そして、ウルトラマンが人間達を守る。ウルトラマンが人間を守るのは大人が子供を守るのと同じ、ということも伝わってきていて愛に溢れた感動作です。さて、映画の技術面の話に移りましょう。まず、この作品の主人公はDAIGO演じるタイガで、こいつが作品の本筋を通してヒーローに変化していく物語です。主人公に変化には、しっかり2つの葛藤が段階的に仕込まれています。ひとつめの成長葛藤は地球防衛隊チームU、本作のキーマンである少年、主人公タイガ、3つの過去が重なるとても重厚な物になっています。ここまで上手く描く映画はそう多くないでしょう。
しかし、ふたつめの破滅葛藤がちょっと弱いと感じます。3人のヒーローが敗れ、戦えるウルトラマンがいなくなるという絶望的な状況にはなるのですがそこからの立ち直りが早すぎます。もう少し主人公の感情の吐露があるとよかったです。
それから音楽。サントラには場面活かすため、敢えて捨てた音楽あると書いてありましたが今回はラストバトルが終わるまで人間ドラマが平行して動いているので終盤はガンガンBGMを付けて感情を焚き付けてほしかったです。作品中に付いている音楽は最高でした。
人によりポイントは違えど3回泣けるというのがこの映画だそうですが僕は後半終始感動しっぱなしでそのうち2回が涙になりました。
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