劇場公開日 2013年6月7日

「エイリアンの不気味さを強調した再編集版」エイリアン ディレクターズ・カット kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5エイリアンの不気味さを強調した再編集版

2024年11月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

最新作『エイリアン ロムルス』鑑賞前にBlu-rayで復習。
初公開から24年後に未公開カットを加えて再編集されたディレクターズ・カット版だが、劇場公開版より1分短い。

エイリアンは卵から産まれるが、幼体は人に寄生して変態する。寄生して育つので宿主を直ぐには殺さない(と『…2』でリプリーが言う)。
ディレクターズ・カット版では、船長が生きながら巣(繭?)に囚われていて、リプリーに殺してくれと懇願するシーンが追加されている。
このときの船長は既にエイリアンに寄生されていたのだろうか。首から下はエイリアン(の巣)と同化しているように見えた。『エイリアン2』にも同じような場面がある。
最初に寄生された副船長は、卵から出てきた幼体に顔面に貼りつかれて口から体内に入り込まれたが、巣に囚われた人は別の方法で体内に入られるのだろうか…。
あるいは、巣に囚われた人は幼体ではなくクィーンの栄養源にされているのかもしれない。本作ではまだクィーンの存在は明かされていなかったが。
…ま、この辺はちょっと調べれば明確に定義されているのかもしれない。

劇場公開版と続けて観たので気づいたのだが、猫を探しに行った機関士が“雨が降る”船内加工場(?)で犠牲になる前、ぶら下がっている鎖にエイリアンが潜んでいた。
これはごく短いカットなのだが、なぜ劇場公開時には削除したのだろう。ギリギリまでエイリアンがいることを隠したかったのか…。
機関士が犠牲になった後リプリーたちがやって来る場面もこの版で復活しているが、ここでは“血の雨”が滴っていてより恐ろしい。

映画冒頭のノストロモ号のクルーが冷凍睡眠から目覚める場面で、リドリー・スコットは凍眠ポッドの中では男女関係なく裸であるべきと考え、実際に撮影したと語っていた。
が、それは復活していなかった。

追加したシーンがある分、削除されたシーンもあるはずだが、細かく比較検証はしていないので、よくわからなかった。
しかし、ディレクターズ・カット版の方がエイリアンの不気味さは勝っていると思う。
ただ、リドリー・スコット自身は劇場公開版に不満はないと語ってはいる。

kazz