俺たちニュースキャスターのレビュー・感想・評価
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最高だけど終わりゆく笑い
全米公開時には評価されず、国内で繰返しテレビ放送され徐々に面白さが認知されていき、多くのファンが「俺たち…」シリーズBESTにあげる作品。アダム・マッケイとウィル・フェレルの人生をかけた協同執筆作品。フラット・パックの面々も出演しています。
冒頭に「この物語は、実際に基づいた物語です」と表示しますが、地方局で差別を受けた女性キャスターの手記が元ネタになっています。
作品に身を任せ笑いの波にのまれているとギクッとする瞬間が訪れます。女性キャスターが「男に勝つには、最高になるしかない…」と呟くシーン、ここで笑い転げていた観客が自身を顧みる事になり、醜い現実世界が笑いの皮膜で包まれていた事に気づきます。幼稚な男達は執拗に女性キャスターへ差別的攻撃を続けます。本来は笑い事ではありません(笑)
#MeToo運動後、反省しない主人公達には罰が必要になり、スティーブ・カレルのお天気キャスターは物語から排除される時代に変化してきたと思います。このプロットで作品化できない時代も恐ろしく感じますけどね…無粋とは思いますが一つの見方として書いておきます。
カトージョーって誰?
70年代のテレビ業界。女性の地位も軽く見られていて、アンカーマンを務めるなんて以ての外と言われてた時代。視聴率もずっと1位で人気のあったロン・バーガンディ率いるニュース・チームが「チャンネル・ニュース4」のメインを占めていた。そんな地方局に入社した野心あふれるヴェロニカ・コーニングストーンにアタックして成功したロン。うかつにも自らの関係までもオンエアで口走ってしまうほど、やりたい放題のニュース・チーム。しかしロンにはプロンプターに書かれた言葉をそのまま読んでしまうという欠点もあった。
途中までは下品でおバカなニュースチームという印象だったのが、愛犬デクスターを川に落とされるという事件が起きた。その犯人であるバイカー男がジャック・ブラック!嘆いたロンは番組に遅刻し、その穴埋めのために新人ヴェロニカを起用する・・・といった展開で笑いのボルテージがどんどん上がっていきました。
スティーブ・カレルは全編通して笑えるお天気お兄さんでもあり、途中の格闘シーン(『ウェストサイド物語』のコメディ?)では意外なカメオ出演が満載なところで面白さ爆発!ライバルのチャンネル2のキャスター、ルーク・ウィルソンもいいし、2局の対決かと思っていたら、次々と現れる他局。公共放送のティム・ロビンス、スペイン語放送局のベン・スティラーといった有名どころも凄い!他にもバーテンダーのダニー・トレホや、『トランザム7000VS激突パトカー軍団』のバート・レイノルズ(エンドロールで)。アダム・マッケイ監督本人も登場・・・
なんだ?この後半の盛り上がりは。パンダにうつつを抜かしていたら、ヒグマの檻に突き落とされてしまったヴェロニカ。落としたのは天下の公共放送キャスター、ティム・ロビンス!やり過ぎ感もあるけど、不謹慎ながらも笑ってしまう。その笑いと感動の最中にもこっそりとカレルのボケが入る。最高!こんな面白い作品、何で今まで見なかったんだろ・・・
音楽も70年代サウンド満載。アイズレー・ブラザース、ブレッド、ホール&オーツなどなどで攻めてくるし、エンドロールはカンサスの「Carry On Wayward Son」で締めくくる♪9.11の影響もある世の中でこんな平和なニュースばかりの時代を楽しむのもいいですね。
ツボにハマらなかった
スーツを買いに行く。そんな気持ち良いよね。
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