「中車爆走」るろうに剣心 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
中車爆走
CSつけたらやっていて、思わず最後まで観てしまった。
いやー何といってもアクションシーンがイイ!!
時代劇的な殺陣というにはあまりにも軽やかで寧ろ香港カンフー風味なのだが、そこもイイ!爽やかなカタルシス。
主役の佐藤健の飄々とした衒いの無さもイイ!!
演技云々はさておき武井咲のシビアな眼差しもイイ!!(この人中途半端な現代ドラマよりこういう奇想天外な世界の方が向いているのかもしれん)
デカいのにウドの大木感もなくシャープな吉川晃司もイイ!!
ここまでは良いのだが、この映画には大きな案件が…
どーしたの?どうーするの?大丈夫か?香川照之。
悪役の香川照之、熱演怪演という枠には最早収まりきらない暴走ぶりで。
演技の巧拙っていうレベルの話じゃなくなってきているような。(これを巧いと深読みするほど優しくなれない。)
何故ここまでクドい?油っこい?ヘルシアの効果まるで無いじゃんか。
ゲイリー・オールドマン(レオンとかフィフス・エレメントとか)っぽい悪役ぶりを目指したのかもしれんが…。
ゲイリーというよりむしろ江頭2:50に近いハイテンション。着地点は遥か遠くの向こう側。
中車がどこに向かっているのか、最早誰にもわからない…。
香川爆走に目が釘付けで、他の問題まで意識がまわらない。
この映画、ストーリー部分の演出がなってない(点数つけるならマイナス5000点くらい)っていう大きなキズがあるのだが、香川爆走の前では、霞んでしまう。ウヤムヤになってしまう。もうどうでもいいかという気になってしまう。
その他、
奥田瑛二がヘッポコ過ぎるとか、綾野剛の出オチ感をなんとかしてあげて…とか、須藤元気緊張したのか顔がこわばってかっこ悪いとか、蒼井優キセル持つ手が変だよとか。そういうアラも香川爆走の前では、まったくもって気にならなくなってしまう。
もしかして全ての欠点を目眩ますための香川だったの?
凄いじゃん香川…。
イヤよイヤよも好きのうちで、すっかり香川の虜になってるみたいで、かなり悔しい…。