「アメリカよ、これが日本映画だ!」るろうに剣心 tina201235さんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカよ、これが日本映画だ!
日本には私小説というジャンルの文学がある。
この映画を見て、先ず思った事はこの映画は、私小説だと感じた。
それはどういう事か。
剣心が戦っているのは、最初から最後まで、自分自身であるという事である。
という事である。
これがアメリカ映画なら、人を斬ることが出来ない『逆刃刀』を
途中で堪忍袋の緒が切れたとなって、最後は、剣心が、
斬って斬ってきりまくり、見るものみんなの溜飲を下げる事になるだろうけど、
剣心はそうはならない。
最後の最後まで、何にのも犠牲が出て、
自分の愛する人の命が危なくなっても
逆刃刀を捨てるのか、捨てないのかで悩みに悩む。
逆刃刀を捨て、以前の人斬り抜刀斎に戻り、敵を倒すべきか、
過去を捨て、人を斬らないと誓った自分を大事にするのか。
これが大義の為に人を殺した自分と
その自分を嫌悪する自分と、
すでに大義をはたした今、人を殺す事への疑問と、
でも、敵を殺さないと守るべきものを守れないジレンマ。
そういったものの中で剣心は迷う。
戦いながらも悩みに悩み、その悩み自体が物語りとなっている。
そして、見るものは、剣心のアクションシーンを見つつも、
剣心の葛藤を見る。
主人公が自分の心と対峙し、悩み、苦しむ。
これはまさに私小説であり、
だからこそ、単なるアクション活劇でなく、
マンガも、アニメも大大ヒットし、そして、この映画も大ヒットしている。
大人も、子供も楽しめる作品となっている。
そして、そのアクションシーンは、
ミサイルドンパチする場面はさすがに洋画に較べれないけど
格闘シーンは、バイオハザードの5倍は凄い。
嘘だと思うなら実際にスクリーンで見てほしい。
日本の殺陣師たちの力量は、すさまじいと感じました。
この映画と共に、『天地明察』も見ました。
両方とも時代劇です。
そして、るろうに剣心はアクション映画
天地明察は静かな映画。
そして、どちらも素晴らしい映画でした。
アメリカよ、これが日本映画だ。
決して、負けてはいない。。
ついつい2回も見ちゃって、それでもまた見に行きたくなってきてます。僕は、後から考えるに、剣心の姿に、なんだか、過去の戦争を反省して憲法で戦争を放棄した、日本の姿がだぶって見えてくるような、それも一つの魅力なのではないかという気がして来てます。ひたすら逆刃刀で耐え忍ぶ姿が、隣国のプレッシャーに苦しみながらも、冷静に耐え忍ぶ今の日本の姿そのもののような、、、