「父から息子へ贈った最後の言葉」人生はビギナーズ kikitさんの映画レビュー(感想・評価)
父から息子へ贈った最後の言葉
突然、父ハル(クリストファープラマー)からゲイだと告白された息子オリヴァー(ユアンマクレガー)。
一方で、新しい恋人をつくり、仲間とのパーティやエクササイズに精をだして、愛にあふれた人生を謳歌する父。
この対照的な二人を軸に、織りなされる親子の物語。
不思議なことに、父がカミングアウトをしてからのほうが、お互い素直に心を開いて、あらたな親子の交流がスタートする。
相手が素直に心を開けば、その受け手の心もまた正直に向き合おうとする、その純粋な関係性が心地よい。
しかし、息子が少しずつ父親を理解して来たころには、父親はもうこの世にいない。
ふさぎがちな日々が続いた時、その喪失感を埋めてくれるかのように現れた一人の女性アナ(メラニーロラン)。
父の最期の人生が後押ししてくれるかのように、
オリヴァーはアナと素直に心を開き、愛を確かめ合っていく。
原題である「Beginners」
その言葉がこんなにも大きな意味を、大きな希望を与えてくれるとは、
この映画に出会うまで考えたこともなかった。
これからの人生、大切に胸にしまっておきたい貴重な作品だ。
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