「ヨーロッパの重さ」パレルモ・シューティング チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)
ヨーロッパの重さ
アメリカが軽いというわけではありません。しかしアメリカはこころの寂寥感を風景のあっけらかんとしたところが支えている気がします。それに対して、この映画の舞台であるヨーロッパは限りなく重いのです。シチリアを舞台にすえながらも、その日差しはほとんど印象に残らず、むしろ日差しの届かない建物の影の重さが印象に残ります。
後半、ジョヴァンナ・メッツォジョルノの圧倒的な美しさで何だかこの重さから解放されたかのような気分が一瞬しますが、この美しさにもやはり重さが貼り付いているようです。
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