劇場公開日 2012年2月3日

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ペントハウス : 映画評論・批評

2012年1月17日更新

2012年2月3日よりTOHOシネマズ有楽座ほかにてロードショー

素人だからこそ大いに笑える、痛快な泥棒サスペンス

金融詐欺で逮捕され、FBIの厳重監視下にある富豪のペントハウスから彼の隠し財産を盗み出す……。この設定は難攻不落のカジノに挑んだ「オーシャンズ11」を思わせるが、泥棒たちのキャラが大違い。凄腕プロ集団の「オーシャンズ」と違って、こちらは富豪に年金資金をだまし取られたマンションの従業員。自分勝手でチームワークも盗みのテクもゼロ。鮮やかな手口ではなく、綿密に作ったはずの作戦が崩れていくプロセスが見どころになっているのが笑える。そのグチャグチャ状態から生まれる火事場の馬鹿力が予想外で唖然。素人だからこうなった的な生かし方は最高ランクだ。

サンクスギビング・デーの雑踏とFBIの大包囲網の中、実際のトランプ・タワーを使った眺望抜群のロケーションで繰り広げられる混乱バトルは、意外にスリルがあって痛快度も満点。リーマン・ショック以来、金持ちだけが儲ける金融界のシステムが顕わになってげんなりしていたが、この映画で鬱憤晴らしができた。

このところハリウッドのスラップスティックを一手に引き受けている感があるベン・スティラー。今回も手抜きナシで真面目に走り回っているが、おかしさでは出番の少ないエディ・マーフィに軍配が。傲岸不遜に相手を丸め込む自分勝手野郎の舌先三寸を久しぶりに堪能した。温厚な笑顔がトレードマークのアラン・アルダが、金の亡者の本性を顕したとたん、もの凄い悪人顔に変身するのもさすがだ。

(森山京子)

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