「偉大なるB級映画。でも、不思議と駄作感は無し。」バトルシップ 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
偉大なるB級映画。でも、不思議と駄作感は無し。
2012年、突如、地球外から未確認物体が襲来し、地球に多大な被害を与える。その地球外からの落下物は、数年前から行われていた国際ビーコンプロジェクトに関連した物と考えられた。たまたまハワイ沖で行われていたRIMPAC海域にも地球外生命体の物と見られる未確認物体が落下していたので、USSジョン・ポール・ジョーンズ、USSサンプソン、護衛艦みょうこうの3艦は調査に派遣されるが・・・。
突っ込みどころ満載です。何がって・・・、ねぇ。26歳で海軍に入隊したかと思うと、気がついたら駆逐艦のTAOになっているって、どういう事(笑)? それに護衛艦艦長クラスの上級幹部(ナガタの事)は、普通あまり対抗戦(今回はサッカー)に主力選手として出場したりしないし、まして、他国の士官と喧嘩したりもしない。下級水兵かよ。
それに、地球外生命体の方も、通信その他のすべてを遮断するバリアを形成する程の科学力が有りながらも、武器は普通の砲撃?それに逆に、地球側の普通の砲撃にやられるし。バリアは?
地球全体の危機の雰囲気がありながらも、実際の危機にひんしているのは、もしかしてハワイだけ?香港は落下物で被害は出ているけど、他の国は?
突っ込むのはその位にして、今までのアメリカ映画との違いも散見されます。まず、冒頭のサッカーシーン。その後の伏線のために必要なのかもしれませんが、アメリカが負けるとはねぇ。って言うか、その相手が日本。この作品は、ナガタを演じる浅野忠信が準主役級で出ていて、これも従来から考えるとかなり異例だと思います。イギリスとか、オーストラリアとか英語圏の国なら解るんですが。
それより何より、地球外生命体から攻撃を受けるストーリーのアメリカ映画は、これまでも数多ありますが、それらでは『インデペンデンス・デイ』に代表されるように、地球全体の危機であるにもかかわらず、アメリカばかりが戦っていたり、あるいはアメリカが他国と協調する様なシーンは描かれた事は殆ど皆無でしたが(『インデペンデンス・デイ』では、弱点をモールスで世界各国に伝えましたが攻撃は各国個別)、この作品は前述のように自衛隊員のナガタが大活躍するんですよねぇ。半分指揮を取っているのではと思うほど。元々この作品は、2010年に撮影されていたので実際にはそうでは無いはずなんですが、3.11のトモダチ作戦からの絆を感じさせられました。
と、B級テイスト満載なんですが、不思議と駄作だとは感じません。何で?