「"ノリ"を楽しむ作品」ロック・オブ・エイジズ 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
"ノリ"を楽しむ作品
観る前は単純にロック系の音楽映画だろうと思っていた。
特別に観たいな〜と思っていた訳でも無く。「暇だから…」ってのが正直なところ。
だから映画が始まっていきなりの“ノリ“には、「おいおい、そうゆう事か!」と嬉しくなった。
こちとら数多くのミュージカル映画を観て来た関係で、ミュージカルに対する《耐性》がきっちりと出来上がっているのだ。
カリスマロックミュージシャン役のトム・クルーズは、実は単なる狂言廻しの役でしか無く。主演は若い男女。
この2人の単純な”ボーイ・ミーツ・ガール”物語。
それにしてもこの映画。ミュージカルコメディーって言うよりも…。はっきり言って、ある意味【お馬鹿】映画では?
何しろ、ロックの力によって何組もが《覚醒》してしまうのですが、主演の2人は勿論。アレック・ボールドウィンとその相棒や、トム・クルーズと女性記者。
もうゲラゲラ笑わせて貰いましたわ。
一応オリジナルの舞台版が有るとは言え、こうゆう映画をサラっと製作してしまうのがハリウッドの凄いところですね。娯楽映画に対するアプローチが半端ない位に、意識が高いのが解ります。
例えるならサッカーの強豪国が、試合終盤ロスタイム(古!)に立て続けて得点を挙げ。同点ないし逆転で勝ち点を得る。そんな底力に近い。
だって、単純なボーイ・ミーツ・ガールですよ。
これまでに何千!何万と製作されて来たんですから。それを臆面も無く使い、ここまで楽しませてくれるんですから。
予想通りに2人が出会い。予想通り話が進み。予想通りに別れ。予想通りのラストが待っている。
本当それだけですよ。それだけ!
作品自体はその薄っぺらさ故に、賞レースとは全く無縁でしようね。
でも、こうゆう映画を月に1本でも観られたら、映画フアンとしてもう幸せを感じてしまうんですよ。少なくとも私なんぞは。もう終始楽しかったなあ〜。
あ?でも、ミュージカル嫌いを自覚されている方ならば、映画を観て憤慨される確率が非常に高いのでどうかご注意を。
賞レースとは無縁と書いたけれども。キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ポール・ジアマッテイ、アレック・ボールドウインの3人がスクリーンに映るだけでもうニヤニヤしてしまう。
この3人を観ているだけでも入場料分の価値は有ると思いますね。別に助演でアカデミー賞にノミネートされたとしても驚きませんわ。
(2012年9月27日 TOHOシネマズ錦糸町No.3スクリーン)