「鈴木京香VSフカキョンのドロドロ流血戦をもっと観たかった」セカンドバージン 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
鈴木京香VSフカキョンのドロドロ流血戦をもっと観たかった
人気ドラマの劇場版だが、あいにく1秒も観ていない。
恋愛・仕事・セックスetc.に対する女性の価値観を赤裸々に綴った内容が話題となったが、配給元は天下の国営放送やし、Rはおろか、PGすら指定されていない時点で、核であるハズの濡れ場は期待度ゼロだった。
案の定、ベッドシーンはセミヌードのセの字もなく、官能とはほど遠いお粗末な描写で眠い、眠い…。
老若男女問わず誰でも観られるラブストーリーを目指して創ったのなら、こんな未練タラタラのネガティブな男女関係なんてガキは観たいとも思わへんよ。
確かに、枯れる寸前に咲く女の凛とした色気の輝きは、あの年代の女優やと鈴木京香しか表現不可能やけど、あんなにバリバリのキャリアウーマン全てを捨ててまで恋人に走る一途さが理解できない。
恋の駆け引きは不得手や言うてるハズやのに初対面でもうアドレス教えてるし。
いきなり猛アタックってヤル気満々やんけ…。
とツッコミ入れた時点で映画の趣旨と矛盾してますからね。
そりゃ、前の旦那別れますよ。
フカキョンが演じた恋人の奥さん役が世間知らずのお嬢様で、イビリになかなかのセンスを持っていて、彼氏争奪戦がヒートアップすると期待したんやけど、早々に降参して悪役を辞めてしまったのは勿体なかった。
もっとグチャグチャに場外乱闘して欲しかった。
戦いが紳士的っていうか…
血ダルマになれよ…
なってこそのキャットファイトやろと…。
まあ、過激さを狙い過ぎると昼ドラみたいにコテコテに煮込まれるのもキツいしね。
個人的には『エマニエル夫人』と『アイズ・ワイド・シャウト』の中間点ぐらいがちょうど良い感じの官能ワールドやと思うけど、邦画でそれを求める自体、野暮なのかもしれない。
『花と蛇』ぐらいであろう。
東南アジアで不倫の逃避行をジラしながら交わる男女のもつれを売りにした映画やと、ミポリンの『サヨナライツカ』よりは、オモロかったかな。
では最後に短歌を一首
『悔ひる森 さ迷ふ瞳 濡らす傷 二度咲く華は 追憶に抱く』
by全竜