劇場公開日 2011年9月23日

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セカンドバージン : インタビュー

2011年9月21日更新
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長谷川博己、銀幕デビューを経て芽生えた映画への渇望

昨年10月にNHKでドラマ化され、大きな話題を呼んだ「セカンドバージン」が、より濃密な世界観を引っさげ映画として戻ってくる。ドラマ版で主演・鈴木京香の相手役を務めあげた長谷川博己が、映画初出演となる今作で大きく羽ばたこうとしている。ドラマ「鈴木先生」主演で“座長”を経験し、満を持して銀幕の世界の扉をこじ開けた長谷川に話を聞いた。(取材・文/編集部、写真/堀弥生)

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長谷川は大学卒業後の2001年、文学座附属演劇研究所に入所し、翌年「BENT」のルディ役で初舞台を踏んでいる。文学座への入座も、森雅之、宮口精二、岸田森ら好きな俳優が同座出身だったことが大きな要因だった。舞台、ドラマと着実にキャリアを積み、ドラマ版「セカンドバージン」への出演が、長谷川にとっては大きな転換期となる。

銀幕デビューの一報が長谷川の耳に入ったのは、「鈴木先生」の撮影時。スポーツ紙で映画化についての記事は目にしていたものの、「僕は聞いていなかったし、ドラマの最後で死んでしまっているから、ないだろうな……と思っていたんです」。ところが、マネージャーから「『鈴木先生』が終わったらすぐにクランクインする」と聞かされ、仰天したという。

「セカンドバージン」は、離婚経験のある出版社の敏腕プロデューサー・中村るいと、17歳年下のネット証券会社社長・鈴木行が運命的に知り合い、不倫の恋におぼれていく姿を描く。映画では、ドラマのストーリーと本筋は変わらないが、ふたりの出会いをはじめ、すべての設定を新たに置き換えている。

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唐突に舞い込んだ吉報だけに、喜びをひとしおだったに違いない。公開を待つばかりとなった最近は、「いろいろなところでポスターを見るようになって、僕もとうとう映画の世界に入ったんだなという気持ちになって、すごくうれしいです」とはにかむ。撮影現場からは大きな刺激を受けたようで、「すごく経験豊富な方々に出会えたし、そういう方々の仕事を垣間見ることができた。もっともっと映画の世界に生きたい、いろんな映画でいろんな役を演じてみたいなという思いがさらに強くなりました。クリエイティブな人たちと、もっともっと意見を出し合えたらいいなとも思いましたし、あの現場の雰囲気にすごく魅力を感じたんです」と述懐した。

鈴木行という役どころについては、ドラマの撮了で一度は離れているだけに気持ちを元に戻す作業は容易ではなかったと想像する。しかし、誠心誠意心を尽くして10話分を演じきっただけに、長谷川の血となり肉となっていたようだ。「気持ちを戻せるか不安なところはあったんです。『鈴木先生』の直後、すぐにメガネを取って行になれるかなって。でも、ドラマでの経験や、共演者もほとんど一緒でしたから、すんなりと入っていけたんです」

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インタビュー2 ~長谷川博己、銀幕デビューを経て芽生えた映画への渇望(2/2)
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