ミッドナイト・イン・パリのレビュー・感想・評価
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パリは美しい…!
あつぎの映画館kikiへレイニーデイインニューヨークを観に行った際、
こちらの映画のポスターのデザインに惹かれたが
映画館で観るのはスケジュールが合わず。
最近Blu-rayを手に入れたのでやっと鑑賞できた。
ジヴェルニーのモネの庭から始まり、
パリの景観と耳心地のよい音楽、
コメディタッチな内容に惹き込まれる。
雨の日はどうしても憂鬱に感じてしまうが、
レイニーデイニューヨークと共にこの映画も
ロマンチックで素敵だなと思わせてくれる。
現代から1920年代に遡り、
アーティスト達との交流から
魅力的な女性アドリアナとの出会い、
さらにベルエポックの時代のパリまで…
もっと19世紀〜20世紀初頭のパリの文化や歴史的背景を深く知りたくなる映画だった。
一言で言うと月並みだがパリにとても行きたくなった。
主演のオーウェン•ウィルソン、
「君に読む物語」のレイチェル•マクアダムス、
アドリアナ役のマリオン•コティヤール、
アーティストを演じる俳優の演技にも引き込まれたが、
特にレア•セドゥの笑顔がとても可愛かった。
レイニーデイを観てから観たためか、
やや展開は読めたものの
最後はハッピーな未来を想像させる終わり方で良かった。
ウディ•アレン作品は個人的に観ていて
とても心地良く感じるため、
彼のスキャンダルは非常に残念…
黄金時代?
『古きよき日本』
年齢を重ねると、よく使う言葉だが、いつの時代も、どこの国でも昔を懐かしみ「あの頃は良かった」と愚痴るものなんですね
でも本当の黄金時代は今!
なんとも哲学的なテーマを雨のパリを舞台に考えさせる映画だったとは……
時、あたかもオリンピック
雨が似合うパリで行った雨の開会式になぜか縁を感じた
この映画は、前にも観たのだけど、後半からラストを観ていなかったのか、ただの忘却なのか、抜け落ちてた
そんな中でダリが自己紹介する場面は、面白くて記憶に残っていたけど、素敵なHAPPY ENDだったんですね
実際に、現在パリに住むとしたら、家賃だけでも高過ぎて夢のまた夢
シャワーもチョロチョロ
お湯もまともに出ず、
エレベーターもなく、
クーラーもなかなか稼働しない
そして渋滞の街でもあるパリは、今も昔も愛の街・恋の街・芸術の街、世界中が憧れる街でもあるんだよね
出来ることなら、もう1度訪れてみたい
そう思わせる映画でした
めちゃ個人的にオペラから考察したミッドナイトインパリについて
ガチ普通の一般人の個人的な見方の一つとして読んでいただけたら〜。そして全部個人的な意見で解釈です。
このレビューでは予告編やエンドロールで印象的だった音楽「天国と地獄」についてなんか色々言ってます。
さて、ミッドナイトインパリ自体を鑑賞したのは2020年、恵比寿のガーデンプレイスの映画館でアンコール上映されていたときでした。
芸術好きにはたまらない世界の映画……芸術家たちの出てきたときの興奮は素晴らしいものだったし、個人的にエンドロールの「天国と地獄」が衝撃的だったし……全体的に満足していました。
そして今、なぜ私はこれを書いているのか……。もう2021年も暮れですよ。
ええ、私的にこの映画のポイントは音楽です。そう、印象的だった「天国と地獄」!!予告編やエンドロールで使われてましたね!これが気になったからです!
まず音楽の「天国と地獄」について軽く説明します。「天国と地獄」はオッフェンバックのオペレッタ《地獄のオルフェ(天国と地獄)》の楽曲です。オペレッタ、つまり喜歌劇ですので明るく笑えるストーリーが展開されています。
この《地獄のオルフェ》は、ギリシャ神話の《オルフェオ》を違った角度から捉えたストーリーになっています。
まず《オルフェオ》について説明します。こちらは竪琴の名手オルフェオが、亡き妻エウリディーチェを冥界から引き戻すために冥界まで行き、冥界の王に妻を返すよう懇願して竪琴と歌を聞かせます。
その甲斐あってオルフェオはエウリディーチェを冥界から連れ出す許可を貰いますが、それには条件がありました。「絶対に後ろをふりかえってはならない」というものです。まあ、案の定オルフェオは振り返ってエウリディーチェはまた冥界に戻りました。チャンチャン♪(え、つらー)という訳です。
さて、これをベースにオッフェンバックの《地獄のオルフェ》についてあらすじを書いていきます。
さあ、《地獄のオルフェ》において、主人公オルフェとその妻ウリディス、不仲です。ダブル不倫してます!もうお互い開き直っちゃってます!その後なんやかんやあって妻が死に、世間体を気にした夫が天国へ妻を返すよう頼むが(不本意)、いろいろあってこの夫婦は無事、離れ離れになりました!チャンチャン♪(なんか最後みんなで「天国と地獄」に合わせて踊ってる)(←めちゃくちゃ愉快)という訳です。
詳しいあらすじはウィキかなんかに書いてあると思うので気になる方は是非〜(手抜き)
いやいやそれよりも、勘の良い方はお気づきでしょうが、《地獄のオルフェ》「ダブル不倫」してるんですよ。
ミッドナイトインパリ、思い出してください。妻はガッツリ開き直って他の男の方がマシ宣言。主人公もほかの女にうつつを抜かす。
ね?これこれこれ〜!!つまり私はここから、予告編の「天国と地獄」は、この映画の中での夫婦のあり方を暗示していた。と考察するしました。カ~~~~~!1本取られましたね。もう既に予告編で「わかる人にはわかる」じゃないですか。
そしてエンドロールは「な?この夫婦は不倫でバラバラになったやろ?」とドヤ顔するように(私にはそう感じた)天国と地獄が流れるわけです。
もうね、芸術に対するリスペクトが凄いですよ。絵画や文学だけではない、オペラ(オペレッタ)の要素もこの映画には取り込まれていたんですね。
だってミッドナイトインパリのエンディングだって、主人公目線で見ていたら「幸せになれそうな予感!」と思いますがめちゃくちゃ冷静に見たら「お互い気持ちが冷めて別の人に走って破局した夫婦」ですし。《地獄のオルフェ》とマッチしすぎ。
ま〜〜、この《地獄のオルフェ》がパリで作られた時代は確かにパリは流行の中心、世界の最先端でパリとしては外せない大事な時代ーーと、色々語りたいですが長くなりますし、話も逸れるのでこれくらいにしておきます。
自己満足女の独り言でしたー!どうもー。
いかにもウディ・アレンらしい映画
前知識なくても、見ていてすぐにウディ・アレンの映画だとわかってしまうほど、ウディ・アレン色が濃い映画。そもそも主人公がウディ・アレンの話し方そっくりである。
タイムスリップものなので、最後どういうオチがあるのかと思っていたが、オチはなかった。婚約者と別れたあと、コール・ポーターのレコードを売っていた店の女性との新しい恋の予感で終わるところがいい(ロダンの案内の女性でもよかったかもしれないが)。雨が降ってきて、雨のパリが一番と言っているので、主人公と趣味が合いそうでよいのではないか。
そういえば、ヘミングウェイが出ていたので思い出したが、ウディ・アレンの映画「マンハッタン」で、ヘミングウェイの孫のマリエル・ヘミングウェイが出ていましたね。
好きの詰め合わせ
花の都パリを舞台にしたオシャンティ映画。悩み多き脚本家が小説に挑戦するも、なかなかアイデアが浮かばず…。深夜24時の鐘がなるとクラシックカーがやってきて…というお話。役者が演じるとわかっていても、ヘミングウェイ、ピカソ、ダリ…。好きがいっぱい詰まった映画
気楽に見れる
落ちなし山なしの懐古趣味で過去のフランスに集まった芸術家・小説家を紹介する映画。テーマは「古き良き時代を思う」。で、主人公が後半にいっていたが、誰もが現実よりも古き良き時代や理想郷を思ってしまうものだと言うこと。ダリ、ピカソ、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド夫妻等の事を知っている人は楽しめるかと。見終わった後、軽くamazonのレビューを見て、映画を楽しむには背景を知っているかどうか、どこにテーマを見るかどうか、登場人物それぞれの象徴は何かを考えるかいなかで評価は分かれるのだなと感じた(自分は背景や登場人物の事をあまり知らず、物語の構造やテーマを深く考えずに見た)。
永遠の憧れ
パリってタイトルだけでワクワクしちゃう(*^^*)
ギルに起こる全ての出来事が刺激的で毎晩、夢の様✨
今作アメリカ、スペインの合作なので、パリの街、自然、建物が綺麗でフランス映画だとベタで撮さない所が随所にちりばめられてて本当に素敵💕
あと、音楽🎵
全部素敵でした(*^^*)
物語はファンタジーたっぷりでついていけない人もいるのかも💦
自分は2020年に2010年の映画で1920年にタイムスリップして更にベル・エポックの時代に、、、。
十分楽しめました👍
最後どうなるのか見物でしたが、
えっ💦
でした💦
まあ、とても摩訶不思議な夢を見たなと思って、クスっと笑いました。
※『現在』って不満なものなんだ
それが人生だから
1920年代の真夜中のパリ
主人公の婚約者(自己主張強め女子)をレイチェル・マクアダムスが演じていましたが、この作品でもお洒落でキュートでした。( が・・・。)
「戦場のピアニスト」で主演したエイドリアン・ブロディが、まさかのダリ役を 👀
20年代の真夜中のパリの酒場の賑わいや、空気感が
お洒落でした。
もしも、目の前に芥川龍之介や江戸川乱歩が現れたなら、私もテンションが上がるでしょうね。
そんな、ミッドナイト・イン・パリでした。
NHK - BS にて鑑賞
今ないものに憧れる
ちょーどお母さんの昔のアルバムを見て
お洋服可愛いな〜昔にしかない趣が素敵だな〜
この時代に行ってみたい。って考えていたところに
みたのでほんとタイムリーな映画でした
評価も高かったので楽しみに見たのですが、とにかく素敵。映像とか衣装もだし、パリの良さとか昔の雰囲気が最高でした。引き込まれる感覚。
俳優さんもみんな豪華だったし序盤からトムヒだっ!ってなって、
お洋服もやっぱりとってもゴージャスで可愛いくて
私もちっちゃいバック持ち歩きたいってなりましたw
自分がもっと出てくる有名な芸術家に詳しければもっとワクワクしたかも。ってちょっと残念。
でも誰しも好きなものや趣味はあるから、
こうやって本来会えるはずのない有名な人に会えるっていうだけで興奮するきもちがよくわかりましたね
オタク要素をすごい感じたというか…
みんな結局昔は良かった〜て思う心理にはとても納得ですね。ないものねだりじゃないけど、みんな手に入らない所に理想を思い描き続ける。私もその1人です。
多分これは永遠に無くならないじゃないかな。
だから今の自分に満足できている人はすごいです。
まあひっかかったのは婚約者がうざすぎてよく婚約までいったなって思ってしまったんですけど、www
あんな人絶対友達にもなりたくない…
知識人男も結構居るタイプだけど本当に苦手なタイプ
2人とも人の話全然聞かないやん…
それがより現実から過去への憧れを引き立たせたのかな〜とは思うけどかなり露骨だったな〜
まあでも最後の終わり方も素敵で、みて良かったです。
夢のようで現実をみさせられる映画。
でもそれでも昔の時代にいってみたいなって思いますw
お洋服とかたしかに昔流行ったものがまた流行ったりするけど、やっぱり街並とか、その街にいる人たちのファッションとか見た目は変えられないから、その時代にいないとわからない雰囲気とかありますよね〜
まあだからこそ私も今の風景や、時代を感じながら今だからこそできる事を沢山やろうと思います。
パリ愛に溢れる映画
パリをこよなく愛する映画脚本家ギルは、観光でパリを訪れたある夜、1920年代のパリにタイムスリップする。憧れの作家・画家との邂逅に歓喜しつつ、黄金期のパリの街に心酔していく中で、ギルは婚約者がいるにも関わらず過去の時代の女性と恋に落ちる。
とにかくパリの街並みを美しく魅せている。昼の活気溢れる大通りから、雨の降る物憂げな路地まで、どれもが画になる代物であり、ギルの言い分はとても良く分かる。
またそうした街の美しさに劣らず、女優陣が誰も彼も美人で華やかである。作中のパリは現代にもタイムスリップした先にも美しい女性がおり、彼女らに惹かれる男性陣との恋模様が描かれている。ギルの婚約者(彼女も美人である)がラストに言い放つ「パリは恋の街なの 大人になって」というセリフは、美しい女性と恋愛で彩られたパリを見事に表していると思う。
ストーリーはタイムスリップと恋愛を軸に軽快なテンポで進んでいく。特に歴史上の偉人たる作家・画家たちは、いわゆる「キャラが濃い」人物として書かれており、彼ら彼女らとギルのやりとりを見ているだけで話に引き込まれていく。キレキレの詩的センスのまま会話してくるヘミングウェイなどは必見である。
街並み、女性と恋愛、面白い作家たち。これらが織りなす美しさと憧れに満ちたパリの魔力が存分に描かれた作品となっている。
大人のおとぎ話
以前鑑賞したことをすっかり忘れていて、年代もののプジョーに乗り込むところで思い出した。あの時代のあの人に会いたい。それは誰もが一度は願ったことのある夢だろう。その点、こと芸術を愛する者にとってパリという街は、時間を遡るのに最適であるに違いない。その夢が叶うとしたら。しかし、主人公は土壇場で我に返り、現代に戻ることを選択する。何も教訓的な理由ではなく、至極現実的な理由で。おそらく彼は芸術家にはなれない。ただ、今の人生を楽しむことには成功するだろうと思わせるラストシーン。うーん、いいなあ。
パリの街の美しさ、ロマンティックの塊
主人公(オーウェンウィルソン)は婚約者(レイチェルマクアダムス)とパリに旅行に来てパリに住みたいと思うが、反対される。知識人とレイチェルマクアダムスがめちゃ仲良い。ワイン試飲会の後迷って、階段に座っていていると、12時の鐘が鳴り、古い車が迎えに来る。誘われたまま乗ると、主人公が好きな1920年代に戻っていた!
戻って色々恋とかして、婚約者のピアスを盗んで渡そうとしたりして、どの時代の人にとっても、黄金時代は昔なんだな、と悟る。レイチェルマクアダムスが知識人と浮気していることが発覚などして、別れる。
まあ色々あって、最後はレコード売る姉ちゃんと一緒に夜の雨の降るパリを散歩する。
めっちゃ良い
面白かった!
ずっと観たかった映画なので、観られて良かったです。
ヘミングウェイは、男らしくて意思が強そうでかっこよかったです。
ぱっと見はキアヌ・リーヴスかと勘違いしました。
パリには旅行で行ったことがありますが、私はそんなにいい街には思いませんでした。
店員さんは冷たいし、ゴミは散乱してるし…。
パリは映画や旅行番組で観てるので充分かなと思います。
この映画ではパリの美しい部分が前面に出されていて、憧れていたパリそのものです。
1点残念なのは、ゴッホが出てくると思ったら出てこなかったことです。
ロートレックと、ゴッホ、ゴーギャンは仲が良かったらしいので、ロートレックのシーンで出てくると思ってました。
冒頭にモネの庭が出て来たので、モネも出るのかな〜?と少し期待してました。
サイを描きたくてしょうがないダリが面白かったです。
また、ブニュエル監督に、ギルが助言するシーンでは、後の自分の映画に疑問を持つ様子が面白かったです。
当時の文化人たちに対して、私は勉強不足でしたので、もっと知ってる人が見たらより楽しい映画だと思いました。
大好きなレア・セドゥが出ていたのも良かったです。
私の好みではない
もう見なくていいと思ってたのに、また観たことを忘れて観てしまった…
すっかり忘れてわくわくした気持ちで見始めてしまっただけに余計ガックシ…
タイムスリップ?して昔の偉人に会うとか…全然面白くないし興味ないし…
レイチェル演ずる婚約者と結局別れて、“雨降るパリ”が好きな女性とのエンディング…
どこが面白ポイントなんだろうか(´・ω・`)
やっぱしウッディ・アレン
良くも悪くも
といっても個人的にはキライだ。
この人の映画の特徴としてやたら屁理屈みたいなセリフの応酬、日本人にはわかりにくい例え。ストーリーも盛り上がることなく、淡々と終わる
むかしはウッディ・アレンくらいみないと、とか勘違いして何本かみたけど…しかし変わらないなこのじじい(笑)。
いつしかウッディ・アレン監督というだけで避けるようになった。
なんでこれをみたかというと、アイデアにひかれたから。よくある設定だけどね
ヘミングウェイやダリなどは日本でも有名だが、フィッツジェラルドとかはきいたことあるかな、程度。何書いた人だっけ。
とにかく、そういう著名人との交流にはあまり意味はなく、みな引き立て役にもなってないし、結局恋愛映画じゃん。
見終わったあとも、なんか…ごはんを白飯だけで食ったような、食パンを何もつけないで食ったような。
とりあえず食ったけどねーみたいな。
ああ、久々に味わうウッディ・アレン映画鑑賞後感。
劇中ずーっとかかってるいかにもおフランスな音楽もウザイ。
全く気取ってんじゃねーよアレン、勝負するかアレンじいさん?
価値観が違うってのは悪玉ですな
自分の信じたものの意見やインスピレーションしか受け入れない人間はよくいるもので自分もそういう人間だと自覚している。
"Actually, Paris is the most beautiful in the rain."
ガブリエルと上手くいくことを祈るばかりである。
可もなく不可もなく
評価が良かったので鑑賞。悪くはなかったが、面白いかと言われると普通。人におすすめまでして観てもらいたいとは思わない。
1920年代のパリにいる芸術家が出てくるが、芸術などに興味があまりない日本人だと、名前を聞いても分からない人物が多い。主人公のギルが「まさかあの〇〇に会えるなんて!」と始終驚いて興奮しているが、共感できない部分もあった。名前だけ出てくる芸術家も入れると数が多く、各々の人物はちょい役で深みは無い。
Wikipedia片手に、芸術家たちの名前が出るたび映画を止めて調べながら観た。名前を知っている人が観ると、もっと楽しいだろうと思う。
主人公ギルの憧れる1920年代のパリと、ギル周囲の現代アメリカ人との対比が、夢と現実の対比になっている。
現実では婚約者にも、その両親にも、婚約者の友人にも、空気が読めず、夢見がちで頭がおかしいと批判ばかりされているが、不思議なことに1920年代の人々はギルを批判しない。未来から来たため、ズレて素っ頓狂なことを言うギルを拒絶せず、受け入れ、共に楽しんでくれる。
過去=夢は拒絶しないのだ。これは、ギルが現実から目を背け、夢を肯定しているからそうなのだと思った。
しかし、展開が変わったのは中盤~終盤。ここだけが作中で唯一面白いと感じたところ。
1920年の魅力的な女性アリアドナとギルが、ベル・エポックのパリにタイムスリップしてしまった時。
その時代の画家たちが口をそろえて「生まれるならもっと昔が良かった。ルネッサンス時代に」と言うのだ。そして、「ぺル・エポックこそがパリの黄金期よ」と夢見がちな顔をするアリアドナに自分を重ねて、ギルは初めて自分を客観視する。
所詮どの時代に生まれても、昔が良かったと言うのだ。現代でも、1920年代でも、ベル・エポックでも、ルネッサンス時代でも。
ベル・エポックのパリに残る選択をしたアリアドナと、ギルは別れる。彼女との別れは、1920年代こそ黄金時代だと夢見る自分との別れなのかもしれない。
だが、現代に戻ったギルは、パリを愛しつつ現実にも目を向けるようになったので、別れは大きな前進なのではないかと思う。
みーんな夜更かし!
まず、婚約者が冷たすぎて、なぜ婚約まで至れたのか不思議。
絵画の全盛期だった頃は、サロンでの芸術家同士の交流が盛んだったってよく聞くし、美術館の説明では芸術家の交友関係がよく示されているけれど、それを映像化したらこうなるんだなぁ〜という内容。
パリを背景に、友達どうしが集まって仲良くしながら、それぞれが好きな物を描いたり書いたり作ったり弾いたりしていて、とっても楽しそう!
主人公はそこに古いプジョーで迷い込んでは、ヘミングウェイやピカソに出会って、アドリアナからモディリアーニの話を聞いたり、フィッツジェラルド夫婦の妻の気まぐれに驚いたり、コールポーターのピアノを聞いたり、ブニュエルに皆殺しの天使の助言をしたり、ガートルードスタインに小説の助言を受けたり、サイの話をするダリやマンレイに会ったり。
でも、アドリアナは更に昔に憧れている。ロートレックやドガやゴーギャンや。ピカソはゴーギャンと交友があったとは聞くけれど、ロートレックを尊敬していたなんて色使いや画風が違いすぎるから面白い。でも、彼らは更にミケランジェロの頃に憧れていて。
懐古主義はいつの時代もあるけれど、結局は今だねとなる。
その現代では、当時の芸術について知ったかぶりの批評をインテリ教授でもしていて、それをお金持ちの上流層が信じていて、でも実は違うことってたくさんあるんだろうなと思った。
パッケージからゴッホをイメージしていたけれどゴッホはなかった。モネは出てきた。
観光とはまた違う、歴史と芸術が積み重なってできあがった文字通り、絵になるパリの街を存分に味わえた主人公が羨ましい。
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