「めちゃ個人的にオペラから考察したミッドナイトインパリについて」ミッドナイト・イン・パリ はにゃたさんの映画レビュー(感想・評価)
めちゃ個人的にオペラから考察したミッドナイトインパリについて
ガチ普通の一般人の個人的な見方の一つとして読んでいただけたら〜。そして全部個人的な意見で解釈です。
このレビューでは予告編やエンドロールで印象的だった音楽「天国と地獄」についてなんか色々言ってます。
さて、ミッドナイトインパリ自体を鑑賞したのは2020年、恵比寿のガーデンプレイスの映画館でアンコール上映されていたときでした。
芸術好きにはたまらない世界の映画……芸術家たちの出てきたときの興奮は素晴らしいものだったし、個人的にエンドロールの「天国と地獄」が衝撃的だったし……全体的に満足していました。
そして今、なぜ私はこれを書いているのか……。もう2021年も暮れですよ。
ええ、私的にこの映画のポイントは音楽です。そう、印象的だった「天国と地獄」!!予告編やエンドロールで使われてましたね!これが気になったからです!
まず音楽の「天国と地獄」について軽く説明します。「天国と地獄」はオッフェンバックのオペレッタ《地獄のオルフェ(天国と地獄)》の楽曲です。オペレッタ、つまり喜歌劇ですので明るく笑えるストーリーが展開されています。
この《地獄のオルフェ》は、ギリシャ神話の《オルフェオ》を違った角度から捉えたストーリーになっています。
まず《オルフェオ》について説明します。こちらは竪琴の名手オルフェオが、亡き妻エウリディーチェを冥界から引き戻すために冥界まで行き、冥界の王に妻を返すよう懇願して竪琴と歌を聞かせます。
その甲斐あってオルフェオはエウリディーチェを冥界から連れ出す許可を貰いますが、それには条件がありました。「絶対に後ろをふりかえってはならない」というものです。まあ、案の定オルフェオは振り返ってエウリディーチェはまた冥界に戻りました。チャンチャン♪(え、つらー)という訳です。
さて、これをベースにオッフェンバックの《地獄のオルフェ》についてあらすじを書いていきます。
さあ、《地獄のオルフェ》において、主人公オルフェとその妻ウリディス、不仲です。ダブル不倫してます!もうお互い開き直っちゃってます!その後なんやかんやあって妻が死に、世間体を気にした夫が天国へ妻を返すよう頼むが(不本意)、いろいろあってこの夫婦は無事、離れ離れになりました!チャンチャン♪(なんか最後みんなで「天国と地獄」に合わせて踊ってる)(←めちゃくちゃ愉快)という訳です。
詳しいあらすじはウィキかなんかに書いてあると思うので気になる方は是非〜(手抜き)
いやいやそれよりも、勘の良い方はお気づきでしょうが、《地獄のオルフェ》「ダブル不倫」してるんですよ。
ミッドナイトインパリ、思い出してください。妻はガッツリ開き直って他の男の方がマシ宣言。主人公もほかの女にうつつを抜かす。
ね?これこれこれ〜!!つまり私はここから、予告編の「天国と地獄」は、この映画の中での夫婦のあり方を暗示していた。と考察するしました。カ~~~~~!1本取られましたね。もう既に予告編で「わかる人にはわかる」じゃないですか。
そしてエンドロールは「な?この夫婦は不倫でバラバラになったやろ?」とドヤ顔するように(私にはそう感じた)天国と地獄が流れるわけです。
もうね、芸術に対するリスペクトが凄いですよ。絵画や文学だけではない、オペラ(オペレッタ)の要素もこの映画には取り込まれていたんですね。
だってミッドナイトインパリのエンディングだって、主人公目線で見ていたら「幸せになれそうな予感!」と思いますがめちゃくちゃ冷静に見たら「お互い気持ちが冷めて別の人に走って破局した夫婦」ですし。《地獄のオルフェ》とマッチしすぎ。
ま〜〜、この《地獄のオルフェ》がパリで作られた時代は確かにパリは流行の中心、世界の最先端でパリとしては外せない大事な時代ーーと、色々語りたいですが長くなりますし、話も逸れるのでこれくらいにしておきます。
自己満足女の独り言でしたー!どうもー。