「原作に忠実。あらすじをしっていても、最後は泣けます。」麒麟の翼 劇場版・新参者 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
原作に忠実。あらすじをしっていても、最後は泣けます。
原作者東野圭吾自身が、シリーズ最高傑作と言う『麒麟の翼』の映画化作品。
原作は読んでいてその面白さは知っていたのですが、本は面白いのに映像化されるとイマイチと言う事が良くあるので、ちょっと心配していたんですが、その心配は杞憂だったようです。ここに至るまで、TV連続ドラマとTVスペシャルドラマとして、加賀恭一郎シリーズは作られていたので、杞憂だったようです。
このシリーズの肝は、やっぱり阿部寛演じる“阿部”恭一郎では無いでしょうか。この作品でも、その魅力は十分発揮されていました。かっこいいですね。
一方、溝端淳平クンですが、う~ん。頑張ってはいますが、刑事には見えない・・・。若すぎるのかなぁ。もう少し、渋さが加わるといいのかも。あと、黒木メイサも、このシリーズだと、なんか浮きませんか? 若手の二人が若干微妙です。
本での金森看護師のイメージは、もう少し年齢の高いベテラン看護師のイメージですが、田中麗奈だと、ベテランと言うよりは、主任クラスのバリバリのやり手と言う感じですね。まぁ、そう言うのもアリですかね。
新垣結衣が、可憐で強い女性を演じています。中原香織は、ガッキーで正解ですかね。
ちょっと気になったのが、TBSの制作ということで、あとで地上波放送が容易な様に(と言う意図では無いかもしれませんが)、編集ポイントが所々にあるところ。映画ではなくて、「ここでCMだな」と言う事を感じるTV的なカット割りなんですよね。全体の流れを絶ち切ってしまうようで、気になってしまいました。
最初の頃から悠人が水泳をしていることをほのめかすなどなど、原作とは違う所はありますが、それは演出上の都合と言う事でよしとしましょう。その意味では、概ね原作に忠実に作られていて、それほど違和感は感じませんでした。
原作を読んでいるので、話の筋は知っているんですが、最後はうっかり泣きそうになってしまいました(苦笑)。中々見応えのある映画です。あ~、日本橋行きたくなった!