「サイレンが鳴ったら鉄塔の辺りには恐ろしい動物が出てくるんだぞ!そ、それはもしかして”八丈島のきょん”ですか?!」サイレン FORBIDDEN SIREN kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
サイレンが鳴ったら鉄塔の辺りには恐ろしい動物が出てくるんだぞ!そ、それはもしかして”八丈島のきょん”ですか?!
“サイレンが鳴ったら外に出てはならない”という言葉がキーワード。空襲警報がなったら防空壕から出ちゃいけないし、洪水などの災害のサイレンが鳴っても外へ出るとずぶ濡れになりそうです。だけど、人間は好奇心旺盛な動物ですから、消防車のサイレンが鳴ったらついつい外に出ちゃったりします。夕方にサイレンが鳴ったら仕事を終えたくなったりもします・・・
舞台は弟の療養のために引っ越してきた南海の孤島(?)「夜美島」。島民は主人公由貴(市川由衣)によそよそしく、皆不気味な表情をしている。中でも警官の嶋田久作が最も不気味だ。島の人々はバラックが集まる蚤の市のようなスペースにたむろしているが、日本人じゃないような人ばかり。引越し先の一軒家はまるで『となりのトトロ』に出てくる古い家。今にもマックロクロスケが飛び出してきそうな雰囲気ではあるが、出てきたのはオオゲジ(ゲジゲジのでかいやつ)だった。
ややあって、島の森の中を歩き回るハメになるのですが、何者かに見られているような錯覚に陥る。赤外線画像のようなフラッシュが織り交ぜられる絵は、もしや『プレデター』が登場するのか?それとも露出狂の変質者か?などとワクワクさせられるのですが、この不気味さはどこかで見たことある。そうだ、これはMナイト・シャマランの『ヴィレッジ』の雰囲気だ!オープニングでもサブリミナルっぽい挿し込みがあったし、正体のわからぬモノに怯えさせられるテクニックは『ヴィレッジ』そのもの。堤監督は和製シャマランになったのだと感じたのです。こうなったら、シャマラン作品との共通点を探すことに集中してしまうという悪い性格が・・・ここは『サイン』に似ている、ここは『アンブレイカブル』に、などと考えていると・・・あっ。監督のカメオ出演はないのか?
映像はとにかく綺麗。これには驚いた。ストーリー、演技などのマイナス部分を十分に補ってくれる。また、音響効果がとてもよかった。サイレンが鳴ると頭の中にゲジゲジの血流が駆け巡るかのような気分にさせられました。そしてクライマックスの鉄塔のシーン。つい思い出してしまうのは『クライモリ』や『父、帰る』。ゾンビやら江戸川乱歩やら、ホラー要素たっぷりの上に、バミューダ・トライアングルやら人魚伝説やら不老不死伝説といった『ルパン三世』に使われるようなネタまでてんこ盛り。お腹いっぱいになって、恐怖感やインパクトは全て忘れてしまいそうです・・・
エンドクレジットにも登場した八丈島の昆虫たち。お疲れ様でした。
〈2006年映画館にて〉
『ひぐらしのなく頃に』は第1作目だけ見た記憶があります。まあまあだったような、ビミョーだったような…。
日本でホラー・ゲームを映画化すると、どうもB級チックなものが多くなっちゃいますね。
『バイオハザード』は最初の頃は面白かったんですが、シリーズ後半はもはや訳が分からず。
今度ジェームズ・ワンのプロデュースでホラー色濃い目でリブートされるそうですが、果たして…?