「子供を守るガメラ」小さき勇者たち ガメラ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
子供を守るガメラ
主人公の透少年の父親は小さな食堂を営んでいたため小さな亀でさえ飼うことを許されなかったのですが、『トム・ヤン・クン!』を観た直後に鑑賞したため、もしかして“亀料理”を客に出すことを危惧していましたが、さすがにそれはなかったようです。それはさておき、透少年をはじめ、子どもたちはガメラ(トトと命名)を普通の“空飛ぶ亀”だと信じていて、隣に住む緋色真珠店の娘が心臓の手術を受けるので、トトの卵を守っていた赤色発光物体をお守りとして彼女にプレゼントします。実は緋色真珠というのも、33年前にガメラがギャオスとの死闘の末誕生した真珠で希少価値の高いシロモノ。店主である寺島進はその真珠を全て売り尽くし、赤色発光物体も娘が名古屋の病院で手術を受けるために持っていたため、伊勢志摩の小さな漁村には守り神がいなくなったのかもしれません。ですから、いきなり狂暴な怪獣ジーダスの上陸を許してしまうことになったのでしょう・・・
まだ体長が8mという成長段階にあったトトはそれでも人間を守る。最初の戦いでは捨て身技でなんとかジーダスを追い払ったものの、トトは力を使い果たし政府と自衛隊によって捕獲されてしまう。しかし、政府の目論みはガメラを巨悪な怪獣と戦わせるための兵器だとしか考えていない。何しろ内閣府参事官は田口トモロヲである。何をやらかすかわからない!『ガメラ2 レギオン襲来』では地下鉄運転手だったのに・・・偉くなったものだ。
ガメラの造形を見てもミニラが甲羅を背負ってる雰囲気だったこともあり、クライマックスまでは普通のお子様向け怪獣ドラマだと感じていたのですが、わけのわからない赤い石リレーでは感動してしまいました。説明しろと言われても無理です。多分大人には理解できないのでしょう。そしてガメラを捕獲することしか考えていない政府の前に立ちはだかる子供たち。必殺のメガンテ攻撃を許さない透くんの純粋さとともに涙してしまいました・・・今年(2006)は命を大切にするといったテーマが多いのかな。
【2006年4月映画館にて】
コメント有り難うございます。妖怪大戦争公開と言う事で大魔神とガメラシリーズを観まくってました。当時はこの作品にそれほどの想いは無かったのですが、改めて観ると割りと良い作品でした。