「「ハングオーバー」とは似て非なる好編コメディ」ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
「ハングオーバー」とは似て非なる好編コメディ
仕事も恋も上手く行かず、人生どん詰まりの30代独身女性アニー。結婚する親友の花嫁介添人のリーダーを任されるも、次々とトラブルを起こす…。
全米大ヒット、2011年のアカデミー賞で2部門(脚本賞、助演女優賞=メリッサ・マッカーシー)にノミネートされたコメディ話題作。
女版「ハングオーバー」とは、なるほど確かに。
飛行機嫌いのアニーが機内で巻き起こす珍騒動は結構笑える。
食中毒に当たった面々のてんやわんやは、なかなかお下劣。
笑いにお下品&下ネタ、そして勿論、友情…。
アメリカン・コメディの王道。
見る前は疑問に思った事が。
「ハングオーバー」はあんなに面白く、大当たりし、ストーリーも凝ってたのに(「1」に限ります)、何故オスカーで無視され、女版と言われる本作は注目されたのか。
ずっと疑問だったが、見て分かった。本作は、「ハングオーバー」と似て非なるものだと言う事が。
何だかんだ言って「ハングオーバー」は、男たちの馬鹿騒ぎ、大騒ぎの楽しいコメディでしかなかった。
しかし本作は、アラサー女性の孤独や本音を露わにしている。同年代もしくは同じ境遇の女性には胸にチクチク迫り、ただの笑えるコメディではない。
脚本も担当したクリステン・ウィグが、アニーを好演。とびきりの美人じゃないけど、ほどほどの美人な感じが、妙にリアル。
ブライズメイズの中でも、メリッサ・マッカーシー! 見た目もインパクト大だが、個性もパワフル!
ついてない時は何をやってもついてない。
親友と喧嘩、アパートを追い出され、車も故障。デリカシーの無いセフレにうんざりし、せっかく好意を持ってくれた異性にも余計な事を言ってしまう。あっちにこっちに八つ当たりしたくなってしまう。
でも、人生ついてないばかりじゃない。
親友と和解して、新しい恋が訪れて、自分にだって何かしら取り柄がある。
とんとん拍子のサクセス・ストーリーではなく、親近感ある描き方に好感の持てる作品。