「わざわざ観なくても」はやぶさ HAYABUSA eiggaxさんの映画レビュー(感想・評価)
わざわざ観なくても
竹内結子の役どころがいまいちはっきりしない。彼女の人生のストーリーが、はやぶさの帰還をメインとした作品のストーリーを邪魔して、どっちを描きたいのか中途半端なまま帰還シーンを撮ってしまった感がある。一番盛り上げなければならない、超感動であるはずの、カプセルの落下を後から見守りながら、自らは大気圏突入で燃え尽きていく帰還シーンが、彼女の心象シーンでぐだぐだになってしまったので、わざわざ2時間以上もかけてここまで気持ちを盛り上げて来たのが無駄になってしまった。アポロ13と同じ展開を期待したのが間違いだったか。
それ以外ではJAXA内部の様子や宇宙飛行中に実際に起きていた事をある程度わかりやすく解説してくれたので、その点ではまあ良かった。ある程度というのは、何もこの映画を観なくても、JAXAがYouTubeで公表している動画を全部観れば大体わかってしまうという事。正直それ以上の内容ではなかった。JAXAの管理卓やオフィス内部、公開ストリーミングの様子はそっくりに再現されており、むしろそれがJAXAの公式動画以上の感動を生まなかった理由と思う。
細かい点で気づいたところでは、ずいぶんNECが協力していたのだなぁという事と、はやぶさにコマンドを送るというのが、PCのキーボードのEnterキーを人が叩くという、超アナログな方法で行っていた事で、ある意味感動した。
すでにアニメ公開された作品と、来年公開されるものもあるので、今後さらにそれらと比較されることになると思うが、総合的にはかなり厳しい出来と思う。東京郊外のアミューズメント施設で平日レイトショーだったが、観客3人だった。
コメントする