ザ・ウォード 監禁病棟のレビュー・感想・評価
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今度はクリステンなのね
精神病院に連れてこられたとき、ナースが言った台詞がそのまま引きずってしまう。ヒントもいっぱいあったけど、さすがにそこまでとは予想がつかなかった。さすがは大御所ジョン・カーペンター。撮り方・見せ方が上手い。
放火したシーンは明らかにクリステン(アンバー・ハード)なので、その記憶さえも無くしてしまうことがおかしい。独房に収容される際、ボードに書かれたタミーという名前を消してクリステンと書き換えられた。ふむふむ、それでブレスレットのパーツなどが全て彼女自身だったという推測ができる。
脚本で上手いのはタミーやアリスがクリステン本人なんじゃないかと思わせながら、同病棟のメンバー、サラ、エミリー、アイリス、ゾーイと絶妙な会話を繰り返しているところで、みんなアリスの亡霊に怯えている共通点。見終わってから思い出すと、ちゃんと成り立っているところが凄いのです。
時代が60年代という設定も相まって、おどろおどろしさは正統派ホラーといった感じに仕上がっている。クリステンにしか見えないと思われていたアリスの亡霊にしても、徐々に他のメンバーが過去を語り出し、アイリス、サラ、エミリーと順に襲われていく・・・でも、死体が発見されるわけでもなく、手抜きかよ!と思わせておきながらのラストである。
考えてみたら、とても可哀想な少女だったアリス。誘拐され、2カ月も農場の地下室に監禁されていたという悲劇。多重人格を創り出し、放火する顛末も彼女の心を思えば理解できる。
精神病院ものの作品も数多くあるけど、その中ではまともな作品の部類。医者ストリンガー(ジャレッド・ハリス)も終始いい性格だったのだから、もうちょっと彼女たち5人の性格がぶつかり合えばもっと良かったのになぁ。
10年前なら名作だったかも。
ジョン・カーペンター監督が久々に復活!
ということで少し期待して観ました。
内容としては、まあ、可も無く不可も無く、ソツなくまとめたな。
という感じ。
そして、致命的だったのが、この作品の核となるアイデアの部分。
ネタバレになりますが、
2003年に公開されたジョン・キューザック主演の『アイデンティティー』
とシチュエーションは違いますがアイデアがモロ被りでした。。。
先にこっちを観ていれば、印象は変わったと思うんですけどね。
ただ、全編に漂う【これぞジョン・カーペンター作品だ】という
雰囲気を感じさせるところは流石だなと思いました。
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