「連載打ち切り漫画かと思ったわ」007 スカイフォール しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
連載打ち切り漫画かと思ったわ
「ユア・アイズ・オンリー」がマイ・ベストと思っているぐらいだから、007には何の思い入れもない。
だいいちそもそも007をマジメにレビューしようとするのが、間違いのような気もするが。
そんなおっさんのオレだから、アストンマーチンやワルサーには何の感動もなく、やるならロータス・エスプリやジョーズを出してくれって世代。
スキーアクション見せろやっ。
Mのババアをボンド・ガールと言われても、マザコン2人のババア争奪戦にしか見えないわけでさ。
それでもボンドのスーツ姿には憧れるわけで、彼の一挙一動にいちいち目が行くのも007ならではの楽しみではある。あんなふうにスーツが着られるのなら、いくらでも鍛えてやるし、稼いだる、と空しい努力さえも促してくれる。
いかにもな、アデルのテーマソングは、いかにも過ぎて、という印象が初聴時に思ったが、やはりあの絵には映える。
全体の印象としては、ぶっちゃけ「007がダークナイトになっちゃった」。というか「真似ちゃった」というか「パクっ・・・」
今回の敵はもったいぶったわりに、意外と普通の逆恨みする男だった。
ジョーカーパクリの計算づくのつもりが意外とあっさり。ババアにマザコンまるだし、マザコンに何のメリットがあるのか、部下もなぜか多く、資金も豊富。そのくせそろいも揃ってボンドとMの逃避行にお付き合いするバカども。
どこがシリアス・ボンドなのかさっぱり分からないが、楽しい。
今回Mが一生懸命自己弁護に躍起になるのだが、正直ウザいし、なにか物凄い恐ろしいことを主張しているような気もする。
本編盛りだくさんなのは、間違いないのだが、なんか色んな意味でずれちゃってたり、喰い足りなかったり、間違っているなあと思ってみてたんだけど、ああ、なるほど、ラストにアレを持ってきたと言う感じは、あれだ、
「新たなる仲間と共に、007は今日も任務につく
完」
(これまで応援ありがとう!次回作の構想のため、しばらく充電します。作者 談)
ああ、この感じだよ、なんか急いでいろんなエピソードつめて、完結編っつてもおかしくないようなお話なんだよな、ボンドももうオレおっさんだし、とか。おい、3作目でもうそれかよ?
まあ、この路線ではこれが限界のような気もする。
だからであの終わり方ではこのシリアス(笑)路線の次回作を期待できるはずは無い。
だから次回作はきっと、50歳のボンドがスーツでスキー滑って、ロータス・エスプリで海に潜って、ジョーズと戦って、宇宙に行って、黒人ガールと戯れ、敵はメリル・ストリープ。テーマソングはフローライダーでエロエロ。
ねえ、そうしようよ。