「無敵ではなく悲哀あるヒーロー」007 スカイフォール ミントユさんの映画レビュー(感想・評価)
無敵ではなく悲哀あるヒーロー
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ヒーローがカッコイイのは当たり前。
でもダニエル・クレイグの007は、無敵と言えるほど強くない。そして歴代にはない悲哀がある。
あのおネエちゃん達と戯れつつ小道具使って追っ手を振り切る、かつてのシリーズを優しくオマージュしつつ、
血を流す人間らしいボンドのアクションに、観ている方は共感していく。
カジノロワイヤルに始まる「結局守れないじゃん」は、今回も。
それがダニエル・クレイグの青い瞳に新たな哀しみと深みを添える。
これは、ただの色男では出せない魅力。
ただ、悪適役が物足りなかった。
あまりに無警戒なテロリスト。
二匹の鼠の話は良かったものの
見捨てられた事をじくじく怨んでようやく復讐出来るという瞬間に、一緒に死のうという女々しいボス。
同じく影のあるヒーローと言えばバットマン。
ダークナイトでヒース・レジャーが演じたジョーカーのような、(このシリーズもヒース亡き後の穴をライジングでは埋められなかったが)
圧倒的な思わず傾倒したくなるような悪役が現れて、
青い瞳に更なる陰が宿る事を次回に期待する。
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