「新旧のファンも大満足!最高の007!」007 スカイフォール 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
新旧のファンも大満足!最高の007!
製作会社の問題で少々公開が遅れたシリーズ23作目。
待った甲斐があった!
お馴染みの冒頭アクションから始まり、MI6やMをも巻き込む本拠地ロンドンでの事件、ボンドの背景、レギュラーメンバーの世代交代、アストンマーチン登場に流れるテーマ曲…シリーズ50年を飾るに相応しい展開とファンサービスには思わず目頭が熱くなった。
ジェームズ・ボンドは紛れもなく映画史上に残るヒーローだ。
しかし、ボンドだっていつまでもヒーローではいられない。
任務中に負傷し、怪我の後遺症で体力に限界を感じ、切られる時はバッサリ切られる。
ボンドも生身の人間なのだ。
かつて、MI6にはもう一人のボンドが居た。
その男の名は、シルヴァ。
国に任務にMに忠誠を誓いながらも、道を踏み外しMに切り捨てられ、Mに復讐する。
Mへ対する憎悪は、まるで厳格な母親の愛情を欲する不良息子の愛憎だ。
これはボンドにとっても他人事ではなく、その存在は表裏一体だが、ボンドとシルヴァは決定的なまでに違う。
シルヴァは自らの歪んだ感情により悪に堕ちたが、ボンドはそうはならなかった。
Mに対して時折不満を持ちつつも、確固たる意志と忠誠心がそうさせなかった。
悪に堕ちるか堕ちないか、心の強さが問われる。
Mとて決して潔白な身ではない。
シルヴァはMの罪なのだ。
オスカー受賞者もしくはノミネート経験者の名スタッフが集結し、ドラマ面でも映像面でも魅せるものが有る。
ダニエル・クレイグのほとばしる熱いボンド像。ハヴィエル・バルデムは相変わらずの抜群の存在感。今回遂に勇退するアノ人…。
この興奮と面白さはシリーズ最高級。
大満足!