「ブラッドリー・クーパー渾身の一本」リミットレス うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラッドリー・クーパー渾身の一本
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真の賢者が金儲けに走るだろうか?
答えは否だろう。
お金は、手段に過ぎない。
まるで、そのことが分かっているかのように、薬の副作用に苦しみ、あがき、それを克服しようとする。自らの身をもって。
そんな主人公をクールに、そして時に熱く演じてみせたブラッドリー・クーパー。
もしかして、この作品が彼のキャリアの最高到達点ではないだろうか。そんなふうにも思える。サスペンスフルで、アイロニカルで、スタイリッシュなムービー。
ま、その後の彼のキャリアも確実にステップを上がり続けているのであるけど。「すごく映画らしい映画」としては、この作品が一番ではないかと思う。
なにしろ、彼の変身ぶりがすごい。
売れない作家、が秘薬を手に入れて傑作をモノにし、効率の悪さに辟易として天才投資コンサルタントに転身、謎の組織に追われる身となり、やがては上院議員に駆け上がってゆく。
それを一本の映画で無理なくつなげてしまうのだから、実はかなりの演技力を発揮したのだろう。それを感じさせないくらいに、自然で、実在してもおかしくないと思わせる不思議な説得力を与える稀有な俳優。
ブラッドリー・クーパー
ただのアライグマじゃない。とにかくいい役者だ。
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