劇場公開日 2011年9月23日

モテキ : インタビュー

2011年9月20日更新
画像1

ドラマ化の際に原作者の久保が監督に指名した大根仁が、映画版も続投。鋭い時代感覚を持ち、数々の深夜ドラマで人気を誇る大根の映画デビュー作となった。わかりやすいメジャー文化とこだわりの強いサブカル要素をボーダーレスに融合させ、新しいエンターテインメントを作り上げた、大根監督のそのバランス感覚を絶賛する。

「大根さんは、オリジナルのものを自分から立ち上げるということはできないけれど、その周りにあるいろんな素材を一つのパッケージにまとめるっていうことはできると言っていて、その盛り込み方のバランス感覚が素晴らしいと思います。ドラマを見ても、映画を見ても、素材として自分が扱われているというのが見ていてわかるんです」

幸世やその他の登場人物の状況や心情に合わせて使われる絶妙なJ-POPの選曲は、ドラマでも高く評価された。90年代後半に青春時代を送った人には懐かしいヒットチューン、そしてこれからブレイク必至のアーティストの楽曲が満載だ。

画像2

「『女王蜂』と『N'夙川BOYS』が入ってきたときに、2011年にこの映画をやるっていう意味が自分の中で出てきた気がして、モチベーションが上がった気がするんです」と話す。Perfumeと幸世のミュージカルシーン、「スチャダラパーfeat.藤本幸世」によるライブシーンと、豪華なコラボレーションも見どころのひとつで、音楽映画としても存分に楽しめる。

そして何と言っても、就職し、新たな恋愛に真正面から立ち向かう、幸世の成長ぶりが見ものだ。「ドラマの藤本幸世は4人の女性に対して、自分の気持ちで突っ込んで、自分でシャットアウトして、全速力で逃げて、その時の感情で突発的に自己完結するという話。それじゃだめだってことで終わっているんです」。そこから1年、果たして幸世はどのように変化したのだろうか?

画像3

「就職するところから始まってるんで、仕事ができないなりにも対人スキルとかが微妙に上がっているという、そういう微妙なさじ加減の成長ぶり、それと今回は四方八方に行くというより、モテキと言いながら一途な方向に行っているので、それによる藤本幸世の弊害も映画の中に出てくるのが変化だと思いますね」

最後に、藤本幸世にかけたい言葉を聞いた。「二度と、オレには近づかないでください(笑)」。“面倒くさい男”幸世を全力で演じきった、会心の表情がそこにあった。

関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る
「モテキ」の作品トップへ