劇場公開日 2012年5月5日

宇宙兄弟 : インタビュー

2012年4月30日更新
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小栗旬が胸に秘める30歳からの覚悟

「すっげえ、面白かったです」。小栗旬は、主演映画「宇宙兄弟」への率直な思いを口にした。それだけ作品と真摯に向き合った成果だろう。原作は愛読している800万部突破の人気コミック。宇宙飛行士という夢を実現させた弟に感化され、自らも同じ夢に再挑戦する兄を演じた。私生活では2人兄弟の弟だけに「最後まで迷いながらやっていた」と振り返るが、弟の目標であり続けるため、時には意地を張ってでも威厳を見せようとする姿は紛れもない兄のものだった。(取材・文/鈴木元、写真/堀弥生)

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漫画好きで知られ、近年でも「クローズ」シリーズや「岳 ガク」「荒川アンダー・ザ・ブリッジ」など、その映像化作品への出演も多い。「宇宙兄弟」も当然、ライブラリーの中に入っており、出演のきっかけは「岳」の撮影中にプロデューサーと交わした会話だったといえる。

「『もし原作ものだったら、次は何をやりたい?』と聞かれたので、絶対に『宇宙兄弟』ですという話をしたんです。そのプロデューサーが、今回のプロデューサーにそのことを話したときには既に企画が動き始めていて、それから『本当にやりたいの?』と言われたんです」

少年時代にUFOを見たことから宇宙にあこがれ、宇宙飛行士になるという夢を抱いた南波六太(ムッタ)と日々人(ヒビト)兄弟。弟は夢を実現させるが、兄は会社をクビになり再就職もままならない日々を送っている。兄を慕う弟は勝手に宇宙飛行士選抜試験の願書を提出。それがきっかけで、兄も同じ夢を追うことになっていく。6歳上の兄がいる小栗にとって、やはり兄弟のふれあいの部分に共感を覚えていたが、兄・ムッタ役でのオファーは想定外だった。

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「描かれている兄弟の在り方が、自分の兄との関係性でかぶるところがあって、ヒビトの気持ちは痛いほど分かる。ガキの頃から兄キの影響を受けて育ってきたので、兄キにはいつまでもヒーローでいてほしいんですよ。だから、兄キがちょっと弱っていたりすると、『なんだよ』って思う気持ちが、ヒビトがムッタを思う気持ちと重なる部分を感じていました。ただ、キャラクターとしてムッタの方が魅力的な部分はあるけれど、自分としてはヒビトで呼ばれるか、オファーはないかなくらいの感じだったので、ムッタと聞いたときにはビックリしました。マジっすか? それはちょっと考えになかったですという感じ(笑)」

当然、兄に相談を持ちかけたが、なかなか色よいアドバイスをもらえなかったようで、実際に原作と同じくらい年の離れた弟がいる森義隆監督とのディスカッションでムッタの気持ちを理解していったという。

「うちの兄キは、弟に抜かれたということをよく言う人なんですけれど、そういう兄キの気持ちって正直どんな感じか聞いたら、『なんでそんなことを、おまえと面と向かって話さなきゃいけないんだよ』と言われました(苦笑)。だから、森監督が兄としてこう思ってしまうという話を聞き、演じる上ではヒビトの立ち位置にいる自分が、こんな兄キ見たくねえなというものをやればいいのかなという感じで臨みましたね」

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インタビュー2 ~小栗旬が胸に秘める30歳からの覚悟(2/2)
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